寺社・文化財

西芳寺(苔寺)――事前申込の拝観と黄金池

別の表記・呼び方苔寺・西芳寺・洪隠山西芳寺・西芳寺庭園

苔に覆われた庭の中に池が広がり、小さな島と石橋が浮かび、池の奥の斜面に石組と木立が見える西芳寺の庭のイメージ

要点

  1. 申込はオンライン(2か月前〜前日)か往復はがき(2か月前〜1か月前の消印)で、1件2名まで

  2. 12歳以下は年に数回の「お子さまの日」だけ同伴でき、2026年10月時点で次の回は12月13日(日)

  3. 庭園は1923年に史跡・名勝、1952年に特別名勝。苔は120余種とされる

  4. 京都バス「苔寺・すず虫寺」から徒歩約3分。鈴虫寺(華厳寺)は北東すぐ

予約はどうする?――日々参拝の申込

ふだんの参拝は「日々参拝(にちにちさんぱい)」と呼ばれ、申込なしで門をくぐることはできません。申込はオンラインか往復はがきの2通りで、どちらも1件2名までです。3名以上で行くときはアカウントやはがきを分けて申し込み、5名以上の団体での参拝は受け付けていません。

オンラインはアカウント登録をして日時を選び、参拝冥加料(みょうがりょう)をクレジットカードで納めます。冥加料とは別にシステム利用料がかかります。取消は4日前まで無料、3日前から前日は50%、当日は100%の取消料がかかり、日時の変更はできません。往復はがきは時間の希望を受け付けず、原則として午前(10時〜12時ごろ)に案内され、返信はがきが当日の参拝証になります。

西芳寺「日々参拝」の申込方法(2026年10月時点)

項目オンライン往復はがき
受付期間参拝日の2か月前〜前日23時59分参拝希望日の2か月前〜1か月前の消印
参拝冥加料4,000円以上を申込時にクレジットカードで4,000円以上を当日受付で現金で
人数1件2名まで1件2名まで
年齢参拝日時点で13歳以上参拝日時点で13歳以上
時間申込時に日時を選ぶ原則午前(10時〜12時ごろ)
2026年10月時点。オンライン申込には冥加料のほかシステム利用料がかかります。

子どもは入れる?――13歳以上と「お子さまの日」

日々参拝は参拝日時点で13歳以上に限られ、乳幼児を含む12歳以下の子どもは同伴できません。子ども連れで入れるのは、年に数回開かれる「お子さまの日」だけです。2026年10月時点で次の回は12月13日(日)で、11時40分に集合して11時45分に開門し、13時15分に閉門します(所要約60分)。

お子さまの日も本堂で写経をしてから庭に出ます。13歳以上の大人1名の申込につき、12歳以下の子ども1名の参拝冥加料が免除され、子どもには写経用紙とポストカードが渡されます。境内で書いたポストカードは、希望すれば寺から郵送してもらえます。申込にはアカウント登録が必要で、受付は2か月前から前日までです。境内には段差や砂利道があり、車いすでは参拝できません。

当日の流れ――本堂で写経、それから庭へ

参拝は、まず本堂の西来堂(さいらいどう)で写経をし、そのあと庭園を拝観します(所要約60分)。写経するのは延命十句観音経(えんめいじっくかんのんぎょう)という49字の短いお経で、15分ほどかかります。2019年からこのお経になり、それ以前は般若心経でした。書き上げた写経は持ち帰ることも、本尊に納めることもできます。庭園だけを見る拝観は受け付けていません。

庭園では撮影できますが、三脚や自撮り棒は使えず、建物の中は撮影できません。境内では食事ができず、持ち込めるのはふた付きの飲み物だけです。

上段の枯山水は通常非公開で、日々参拝では入れません。日程と人数を限った「折々参拝(おりおりさんぱい)」の一部で案内され、「寺務員とめぐる日本最古の枯山水」(定員10名、参拝冥加料8,000円以上、13歳以上)は2026年10月時点で残る回が12月12日(土)です。

上下二段の庭と黄金池

庭園は上下二段に分かれています。下段は「心」の字をかたどるとされる黄金池(おうごんち)を中心にした池泉回遊式で、池には朝日ヶ島と夕日ヶ島の二つの大きな島が浮かびます。上段は洪隠山(こういんざん)の斜面に石を組んだ枯山水で、上・中・下3段の滝組からなり、夢窓疎石(むそうそせき)が1339年に築いた日本最古の枯山水の石組とされます。

庭一面を覆う苔は120余種といわれ、庭が苔むすまでには荒廃の時代を含めて100年以上かかったとされます。庭園は「西芳寺庭園」の名で1923年(大正12年)3月7日に国の史跡・名勝に指定され、1952年(昭和27年)3月29日に特別名勝になりました。境内の茶室・湘南亭(しょうなんてい)は桃山時代の建物で、1907年(明治40年)に重要文化財に指定されています。1994年(平成6年)に世界遺産に登録された「古都京都の文化財」の17の構成資産の一つでもあります。

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行基の開山から夢窓疎石の再興まで

西芳寺は天平3年(731年)に行基が開いたと伝わり、はじめは「西方寺」と書く法相宗の寺でした。鎌倉時代の初めには法然を迎えて浄土宗になり、暦応2年(1339年。南朝の年号では延元4年)、松尾大社の宮司・藤原親秀の招きで夢窓疎石が禅寺として再興したと伝わります。寺名は同じ音の「西芳寺」に改められ、臨済宗の寺になりました。

足利義満や義政もここで坐禅をし、のちの金閣・銀閣の庭の原型になったといわれます。応仁・文明の乱では建物が焼け、江戸時代には西芳寺川の洪水にたびたび遭いました。1928年(昭和3年)に庭園の一般公開を始めましたが、車による交通障害や苔が荒らされることを避けるため、1977年(昭和52年)に今の事前申込制に切り替えています。2031年に開山1300年を迎えます。

今どこで見られる?/行き方

西芳寺は西京区松尾神ヶ谷町56にあります。申込がないと庭には入れず、無料で見られる範囲はありません。駐車場もないため、公共交通で向かいます。

  • 京都バス:京都駅から73系統で約60分の「苔寺・すず虫寺」で降りて徒歩約3分
  • 市バス:「鈴虫寺・苔寺道」から徒歩約10分
  • 電車:阪急嵐山線の上桂駅から徒歩約15分
  • タクシー:門前では乗り降りできず、約100m手前の「西芳寺乗降場」を使う
  • まわりの寺社:鈴虫寺(華厳寺)は西芳寺の北東すぐ、松尾大社は北へ約1km

この項目のミニクイズ

  1. 西芳寺の下段の庭の中心にある黄金池は、ある漢字の形をかたどるとされます。その字は?

  2. 西芳寺の参拝で書く写経は、2019年から短いお経に変わりました。いま書いているお経は?

出典・確認情報

内容確認日:2026年10月29日

更新日:2026年10月29日

  1. 西芳寺「西芳寺|苔寺」(参拝について・主要アクセス方法)
  2. 西芳寺「『往復はがき』による参拝申込のご案内」
  3. 一般社団法人西芳会「日々参拝」
  4. 一般社団法人西芳会「日々参拝 オンライン(本サイト)による参拝申込のご案内」
  5. 一般社団法人西芳会「お子さまの日」
  6. 一般社団法人西芳会「寺務員とめぐる日本最古の枯山水」
  7. 一般社団法人西芳会「よくあるご質問」
  8. 一般社団法人西芳会「写経で心をととのえる」
  9. 一般社団法人西芳会「見所とその由緒を知る」
  10. 一般社団法人西芳会「波乱と悠久の歴史」
  11. 文化庁「国指定文化財等データベース 西芳寺庭園」
  12. 文化庁「国指定文化財等データベース 西芳寺湘南亭(本家)」
  13. 文化庁「国指定文化財等データベース 古都京都の文化財」(世界遺産)
  14. 文化庁「世界遺産一覧」
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