京都市内の特別名勝

要点
龍安寺と大仙院は方丈や書院の前の庭だけが特別名勝で、それを囲む庭は別に名勝
1987年に加わった法金剛院青女滝のほかは、戦後の1952〜56年に格上げされた庭
大徳寺方丈庭園と本願寺大書院庭園は通常非公開、西芳寺は事前申込制で13歳以上
名勝と特別名勝の指定
文化財保護法では、庭園・峡谷・山岳などの名勝地のうち重要なものを国が「名勝」に指定し、そのなかで特に重要なものを「特別名勝」に指定します。京都市内の名勝は52件(全国433件)で、うち特別名勝が12件。全国36件のちょうど3分の1が京都市内にあります(2026年4月時点)。
京都市内の特別名勝の区別の件数
- 北区
- 右京区
- 左京区
- 中京区
- 下京区
- 西京区
- 伏見区
特別名勝の庭園一覧
「龍安寺方丈庭園」「大仙院書院庭園」のように建物の名が付くものは、方丈や書院の前の庭だけが特別名勝です。参道や鏡容池を含む「龍安寺庭園」と、方丈周りの「大仙院庭園」は、別に名勝(1955年指定)になっています。
京都市内の特別名勝の位置(模式地図)
京都市内の特別名勝12件
| 名称 | 所在区 | 庭の型 | 特別名勝の指定年 | 公開 |
|---|---|---|---|---|
| 鹿苑寺(金閣寺)庭園 | 北区 | 池泉回遊式(鏡湖池) | 1956年 | 公開(有料) |
| 慈照寺(銀閣寺)庭園 | 左京区 | 池泉回遊式(錦鏡池) | 1952年 | 公開(有料) |
| 龍安寺方丈庭園 | 右京区 | 枯山水(石庭) | 1954年 | 公開(有料) |
| 天龍寺庭園 | 右京区 | 池泉回遊式(曹源池) | 1955年 | 公開(有料) |
| 西芳寺庭園 | 西京区 | 池泉回遊式と枯山水の二段 | 1952年 | 事前申込制 |
| 大仙院書院庭園 | 北区 | 枯山水(書院の庭) | 1952年 | 公開(有料) |
| 大徳寺方丈庭園 | 北区 | 枯山水(方丈の庭) | 1952年 | 通常非公開 |
| 本願寺大書院庭園(虎渓の庭) | 下京区 | 枯山水(書院の庭) | 1955年 | 通常非公開 |
| 二条城二之丸庭園 | 中京区 | 池庭(御殿から眺める) | 1953年 | 公開(有料) |
| 醍醐寺三宝院庭園 | 伏見区 | 池庭(書院から眺める) | 1952年 | 公開(有料) |
| 金地院庭園(鶴亀の庭) | 左京区 | 枯山水(方丈の庭) | 1954年 | 公開(有料) |
| 法金剛院青女滝 附 五位山 | 右京区 | 浄土式(池泉回遊) | 1987年 | 公開(有料) |
枯山水・池泉回遊式・書院から眺める池庭
水を使わず白砂と石で山水を表すのが枯山水(かれさんすい)です。龍安寺方丈庭園は矩形の白砂敷に15の石を配した石庭です。大仙院書院庭園は狭い敷地に多数の石を立てて山と渓流を描き、大徳寺方丈庭園は江戸時代初期を代表する枯山水です。金地院の「鶴亀の庭」は小堀遠州(こぼりえんしゅう)の作、西本願寺の「虎渓の庭」は御影堂の屋根を廬山(ろざん)に見立てて借景にしています。
池の周りを歩いて景色の変化を楽しむのが池泉回遊式です。金閣寺の鏡湖池(きょうこち)は大小の島が見る位置で姿を変え、天龍寺の曹源池(そうげんち)は夢窓国師(むそうこくし)が約700年前に作庭した姿をとどめ、嵐山と亀山を借景にします。西芳寺は1339年に夢窓国師が中興し、黄金池の上段に石組の枯山水を置いた二段構えで、金閣・銀閣の庭の原型になったという説があります。
御殿や書院から眺める池庭もあります。二条城二之丸庭園は1626年(寛永3年)の後水尾天皇行幸のために小堀遠州ら作事奉行が改修したとみられる、滝を伴う池庭です。醍醐寺三宝院庭園は1598年(慶長3年)の「醍醐の花見」に際して豊臣秀吉が自ら基本設計をしたと伝わります。法金剛院の庭は待賢門院(たいけんもんいん)が造らせた平安時代の浄土式庭園で、池の北側の「青女(せいじょ)の滝」は、1970年の調査で埋もれていた下段の石組が見つかり、復原されました。
名勝と特別名勝の指定年
12件の多くは大正から昭和初期に史跡や名勝に指定され、戦後の1952〜56年に特別名勝へ格上げされました。最初は1952年3月29日で、西芳寺・慈照寺など5件がまとめて特別名勝になっています。
法金剛院青女滝は1971年に名勝、1987年に特別名勝となった最も新しい1件で、「附(つけたり)五位山」は滝の背後の山も一体で指定されていることを示します。鹿苑寺・慈照寺・醍醐寺三宝院は特別史跡、龍安寺方丈など6件は史跡でもあります。
公開状況と見ごろ
西芳寺は1977年から事前申込制で、前日までに申し込み、本堂で写経をしてから庭園を拝観します。参拝は13歳以上に限られ、小学生以下は年に数回の「お子さまの日」だけ一緒に入れます。金地院は、庭園は一般拝観で、茶室は事前予約制です。
子どもの拝観料は、天龍寺が未就学児無料で庭だけの拝観券もあり(高校生以上500円、小中学生300円)、醍醐寺は小学生以下無料(1か所600円)、二条城は市内在住・通学の小中学生と未就学児が無料(一般800円)です。金閣寺・大仙院は大人500円・小中学生300円、龍安寺は大人600円、銀閣寺は2026年4月から大人1,000円・小中学生500円です。
見ごろは、金閣寺の紅葉が例年11月中旬から下旬、醍醐寺は11月に参道がモミジのトンネルになります。法金剛院は蓮の名所で、7月に観蓮会があります。
各庭園の最寄りのバス停・駅と拝観時間
金閣寺(北区金閣寺町1)は市バス「金閣寺道」から徒歩3分で、拝観は9〜17時です。銀閣寺(左京区銀閣寺町2)は市バス「銀閣寺道」から徒歩約10分です。龍安寺(右京区龍安寺御陵下町13)は嵐電龍安寺駅から徒歩約8分で、3〜11月は8〜17時です。天龍寺(右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68)は嵐電嵐山駅の目の前で、8時30分〜17時です。法金剛院(右京区花園扇野町49)はJR花園駅から徒歩約5分です。
大仙院(北区紫野大徳寺町54-1)は市バス「大徳寺前」から徒歩8分で、9〜16時30分です。二条城(中京区二条通堀川西入二条城町541)は8時45分〜16時です。醍醐寺三宝院(伏見区醍醐東大路町22)は地下鉄醍醐駅から徒歩約10分、金地院(左京区南禅寺福地町86-12)は地下鉄蹴上駅から徒歩約5分、西芳寺(西京区松尾神ヶ谷町56)は京都バス「苔寺・すず虫寺」から徒歩3分です。西本願寺(下京区堀川通花屋町下る)は御影堂・阿弥陀堂に無料でお参りできます。
この項目のミニクイズ
龍安寺方丈庭園の石庭で、矩形の白砂敷に配されている石はいくつ?
西芳寺(苔寺)で、事前に申し込んだ参拝者が庭園を拝観する前に本堂で行うことは?
右京区花園の法金剛院に残る、平安時代の浄土式庭園を造らせた人物は?
出典・確認情報
内容確認日:2026年10月18日
更新日:2026年10月18日
- 京都市文化財保護課「京都市内文化財件数(令和8年4月1日現在)」
- 京都市「京都の庭園文化」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 鹿苑寺(金閣寺)庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 慈照寺(銀閣寺)庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 龍安寺方丈庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 龍安寺庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 天龍寺庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 西芳寺庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 大仙院書院庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 大仙院庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 大徳寺方丈庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 本願寺大書院庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 二条城二之丸庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 醍醐寺三宝院庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 金地院庭園」
- 文化庁「国指定文化財等データベース 法金剛院青女滝 附 五位山」
- 金閣寺「鹿苑寺」
- 金閣寺「参拝志納料改定のお知らせ」
- 京都市観光協会「鹿苑寺(金閣寺)」
- 京都市観光協会「金閣寺 紅葉情報」
- 銀閣寺「慈照寺」
- 銀閣寺「参拝志納料改定のお知らせ(2026年4月1日より)」
- 京都市観光協会「慈照寺(銀閣寺)」
- 京都市観光協会「龍安寺」
- 天龍寺「参拝・交通案内」
- 天龍寺「境内・山内案内」
- 西芳寺「参拝のご案内」
- 西芳寺「波乱と悠久の歴史」
- 西芳寺「よくあるご質問」
- 大仙院「拝観案内・アクセス」
- 京都市観光協会「大仙院」
- 臨済宗黄檗宗連合各派合議所「大徳寺」
- 京都市観光協会「大徳寺」
- 京都市観光協会「曝凉展【大徳寺本坊】」
- 本願寺「書院・能舞台」
- 本願寺「参拝のご案内」
- 京都市観光協会「本願寺(西本願寺)」
- 元離宮二条城「二の丸御殿・二の丸庭園」
- 元離宮二条城「入城料」
- 元離宮二条城「開城時間・休城日」
- 醍醐寺「三宝院」
- 醍醐寺「拝観時間・料金」
- 醍醐寺「交通案内」
- 醍醐寺「秀吉が果たせなかったモミジ狩りの名所」
- 京都市観光協会「金地院」
- 京都市観光協会「法金剛院」
- 京都市観光協会「観蓮会【法金剛院】」
- 京都市埋蔵文化財研究所「リーフレット京都 No.106 法金剛院の青女滝」
