年中行事

針供養

別の表記・呼び方針供養法要・法輪寺 針供養・事八日

冬の山寺の本堂前で、祭壇に置かれた大きなこんにゃくに、色糸の付いた長い針が何本も刺さっている様子。奥に石段と多宝塔、遠くに川と橋が見える

要点

  1. 法輪寺は12月8日と2月8日の年2回、どちらも午後1時から

  2. 12月の回では、皇室から預かった針も供養する

  3. 針は法要の当日に納め、当日以外は個別の供養になる。注射針は受け付けない

  4. 左京区岩倉の針神社でも、毎年12月8日の11時から針供養

いつ・どこで――法輪寺は12月8日と2月8日

京都の針供養でよく知られるのが、嵐山の中腹にある法輪寺です。通称は「嵯峨の虚空蔵さん」で、本尊の虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)は智恵と福徳の仏とされます。針供養の法要は毎年2月8日と12月8日の年2回、どちらも午後1時から営まれます(2026年11月時点の年間行事予定)。次の回は2026年12月8日(火)、その次は2027年2月8日(月)です。

針供養の日は地域によって違い、関東では2月8日と12月8日、関西や九州では12月8日に行うことが多いとされます。2回とも行う土地と、どちらか1回だけの土地があり、法輪寺は両日に営んでいます。

針を休ませる行事――由来とこんにゃくのわけ

法輪寺の針供養は、皇室で使われた針を供養するようにという天皇の命で始まったといわれます。平安時代に清和天皇が、使い終えた縫い針を納めるお堂を境内に建てたことにちなむとも伝わります。今も12月の針供養では、皇室から預かった針の供養が行われます。

法要では、祭壇に供えたこんにゃくに、五色の糸が付いた長い針を参拝者が刺します。固い布を縫い続けてきた針に、最後はやわらかいこんにゃくの中で休んでもらうという意味があり、裁縫や手芸など技芸の上達と家庭円満を祈ります。

法輪寺の虚空蔵菩薩には、技芸に上達したい人はその名を唱えよという誓いがあると説かれます。十三まいりや針供養はこの信仰から生まれた、とする説明もあります。全国を見渡すと、古い針を近くの淡島(あわしま)の祠やお堂に納める例が多くあります。

事八日(ことようか)と針供養

2月8日と12月8日の行事は、まとめて「事八日」と呼ばれます。「コト」は小さな祭りの意味とされ、この日に目籠(めかご)を竿の先に掛けて軒に立て、疫病神などが来るのを防ぐ習わしが各地にあります。針供養も、事八日の行事の一つとして行われてきました。

どちらの日を「事始め」と呼ぶかは、土地によって逆になります。正月を中心に考える地方では12月8日が御事始め、2月8日が御事納めで、一年の農作業を中心に考える地方ではその反対です。京都の針供養については、12月8日は農作業を終える事納め、2月8日は農作業を始める事始めの日で、どちらも夜の針仕事を休んだことから針供養の日になったとも説明されます。

針仕事を休むのは、仕事を控えて家にこもるべき日だったからと考えられています。厄日と針の供養が結びついたわけには定説がなく、淡島信仰との関わりが考えられています。なお京都には、12月13日を正月の準備を始める「事始め」とする習わしもあり、事八日とは日付が違います。

事始め

針の納め方と参加のしかた

使い終えた針は、法要が営まれる当日に持って行きます。ほかの日には預かってもらえず、当日以外に持ち込んだ場合は個別の供養になります。注射針などは受け付けていません。

2026年2月の回では、甘酒の接待がありました。本堂へは山門をくぐって石段を上るので、ベビーカーで行くときは石段があることを考えておくと安心です。針の供養にかかる費用は、出かける前に寺へ問い合わせて確かめてください。

岩倉の針神社と、法輪寺の十三まいり

左京区岩倉幡枝町(いわくらはたえだちょう)の針神社(はりじんじゃ)でも、毎年12月8日の11時から針供養の祭典があります。針神社は幡枝八幡宮の末社で、本社の左側にまつられ、針の守護神として、刃物や金物を扱う人からも信仰されています。京都バス「幡枝八幡宮前」から徒歩2分です。

法輪寺は、数え年13歳の子どもが智恵を授かるようにお参りする「十三まいり」の寺としても知られます。幼くして即位した清和天皇が数え年13歳のときに法輪寺で勅願法要を営んだのが始まりとされます。参詣期間は春が3月13日〜5月13日、秋が10月〜11月で、漢字一字を書いて奉納します。祈祷料は1週間・1か月・1年の祈祷で5,000円・7,000円・13,000円です(2026年11月時点)。参拝のあと、渡月橋を渡り切るまでに振り返ると、授かった智恵を返してしまうと伝わります。

あらしやま・とげつきょう・ちくりん嵐山・渡月橋・竹林と川の名前

行き方

法輪寺の所在地は西京区嵐山虚空蔵山町で、渡月橋を南へ渡った先の嵐山の中腹にあります。阪急嵐山駅から徒歩約5分、市バスなら28系統の「嵐山公園」から徒歩3分です。本堂の右手にある「舞台」と呼ばれる見晴台からは、渡月橋や嵯峨野、東山の山々まで見渡せます。

この項目のミニクイズ

  1. 嵐山の法輪寺で12月8日と2月8日に営まれる針供養。参拝者は、使い終えた針を休ませる意味で、長い針を何に刺す?

  2. 左京区岩倉で毎年12月8日に針供養の祭典が行われる針神社。どの神社の末社としてまつられている?

出典・確認情報

内容確認日:2026年11月8日

更新日:2026年11月8日

  1. 法輪寺「十三まいりなど法輪寺の行事・祭事」
  2. 法輪寺「法輪寺の歴史・由緒・御本尊」
  3. 法輪寺「嵐山 虚空蔵法輪寺」(歴史・見どころ・アクセス)
  4. 京都市観光協会 京都観光Navi「針供養【虚空蔵法輪寺】」(2026年2月8日の回)
  5. 京都市観光協会 京都観光Navi「法輪寺<西京区>」
  6. 京都市観光協会 京都観光Navi「春の十三まいり【虚空蔵法輪寺】」(2026年)
  7. 京都市観光協会 京都観光Navi「針神社」
  8. 京阪電気鉄道「京都ツウのススメ 第138回 京都と物の供養」(2019年10月)
  9. コトバンク「針供養」(デジタル大辞泉・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典・ブリタニカ国際大百科事典ほか)
  10. コトバンク「事八日」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典・日本大百科全書・ブリタニカ国際大百科事典)
  11. 京都市教育委員会「京都市通学区町名一覧 左京区」(令和4年4月1日現在)
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