地名・読み方

よみかみかざん

上花山

別の表記・呼び方花山

東山の山並みの東側の斜面に広がる住宅地と、山頂に並ぶ二つの銀色の天文台のドーム、ふもとに屋根のある門をもつ小さな寺

要点

  1. 町名の「花山」は「かざん」。和歌では「はなやま」「はなのやま」とも詠まれた

  2. もとは「花山」というひとつの地域で、のちに北花山・上花山・下花山に分かれた

  3. 花山天皇は寛和2年(986年)、元慶寺(花山寺)で出家した

  4. 花山天文台は北花山大峰町にあり、1929年10月に設立

「かみかざん」と読む6つの町

上花山は「かみかざん」と読みます。町名は上花山旭山町(かみかざんあさひやまちょう)、上花山久保町(くぼちょう)、上花山講田町(こうだちょう)、上花山坂尻(さかじり)、上花山桜谷(さくらだに)、上花山花ノ岡町(はなのおかちょう)の6つで、北隣には北花山(きたかざん)で始まる町名が並びます。

「花山」は古くは「かさん」とも読まれ、和歌では「はなやま」「はなのやま」として詠まれた歌枕でもあります。上花山久保町と上花山花ノ岡町は、国道1号の北側が鏡山小学校・花山中学校、南側が百々小学校・山科中学校の通学区域に分かれています(平成31年4月時点)。

京都の難読地名

東山の東側、今熊野・清閑寺の山向こう

上花山は東山の山地の東側の斜面とふもとにあります。旧上花山村は、西は六条山を境に東山区の今熊野、北は渋谷街道を境に東山区の清閑寺と山科区の北花山、南は川田に接していました。用水の便が悪く、滝坪池・桜谷池などのため池がありました。

町の中を国道1号が通り、京阪バスの五条坂・清水道方面と山科の間を走る系統が「上花山花ノ岡町」「上花山久保町」の停留所に停まります(2026年3月29日時点)。

上花山と北花山、花山天文台の位置

西側に南北に延びる東山の山並みがあり、その東側の斜面からふもとに上花山、北に渋谷街道を挟んで北花山、山頂に花山天文台、北花山に元慶寺、上花山を北西から南東へ国道1号が通り、南東に花山稲荷神社がある図
上花山は東山の東側の斜面とふもとにあり、花山天文台と元慶寺は北隣の北花山にあります。
いまぐまの今熊野

「花山」の名と元慶寺(花山寺)

北花山河原町にある天台宗の元慶寺は、貞観11年(869年)に僧正遍昭が開いたとされ(元慶元年〈877年〉の創建とする説明もあります)、平安時代前期から花山寺とも呼ばれ、単に「花山」といえばこの寺を指すことも多かったとされます。寺は花山山(標高221m)の南東のふもとにあります。

花山天皇(968〜1008年)は、寛和2年(986年)に藤原兼家らのはかりごとで位を退き、この寺で出家した天皇です。寺は天皇の出家より100年以上前に開かれていて、「花山」の名もそれより前からあったことになります。

地名の起こりについては、天智天皇の時代に「華頂(かちょう)」と呼ばれていたのを平安京遷都のときに「花山」と改めたとする説もありますが、信じがたいとする見方もあります。元慶寺の山号は華頂山です。地域はもと「花山」としてひとまとまりで、天正17年(1589年)に北花山・上花山・下花山の三つの村に分かれ、寛保年間(1741〜44年)に北花山と下花山が合わさったと伝わります。

花山天文台と花山稲荷神社

京都大学の花山天文台は、清水寺の裏に広がる東山の花山山(かざんやま)の山頂にあり、住所は北花山大峰町です。1929年10月に設立され、同じ年に完成した本館・別館などは2014年に京都市の「京都を彩る建物や庭園」に認定されました。山科の盆地側から北西の東山を見上げると、銀色の丸屋根が二つ、山の上に並んでいるのが分かります。

土曜・日曜の指定日には昼の公開があり、予約のいらない土曜の自由見学コースは大人1,000円・小中高生500円で、小中学生は保護者の同伴が必要です(2026年11月時点)。山の中にあるため車かタクシーで行くよう案内されていて、歩く場合に通る東山ドライブウェイには歩道がありません。

上花山の南東、西野山欠ノ上町には花山稲荷神社があります。醍醐天皇の命により延喜3年(903年)に建てられたのが始まりといわれ、古くは西山稲荷、近世には大石稲荷の名もあったと伝わります。いまの呼び名は「花山稲荷(かざんいなり)」です。境内の稲荷塚には、刀工の三条小鍛冶宗近(さんじょうこかじむねちか)がここで名刀「小狐丸」を打ったという話も残ります。

この項目のミニクイズ

  1. 山科区の上花山久保町では、ある道路の北側と南側で通う小学校が分かれています。その道路は?

出典・確認情報

内容確認日:2026年11月8日

更新日:2026年11月8日

  1. 京都市教育委員会「京都市通学区町名一覧(山科区)」
  2. コトバンク「上花山村」(日本歴史地名大系)
  3. コトバンク「北花山村」(日本歴史地名大系)
  4. コトバンク「花山」(精選版 日本国語大辞典・日本歴史地名大系)
  5. コトバンク「元慶寺」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典・日本歴史地名大系)
  6. コトバンク「花山天皇」(精選版 日本国語大辞典・改訂新版 世界大百科事典)
  7. 京都大学大学院理学研究科附属天文台「花山天文台」
  8. 京都大学大学院理学研究科附属天文台「歴史」
  9. 京都大学大学院理学研究科附属天文台「花山天文台 土日公開」
  10. 京都大学大学院理学研究科附属天文台(所在地)
  11. 京都市文化市民局「京都を彩る建物や庭園」(花山天文台)
  12. 京都市山科区役所「「花山稲荷神社」への観光案内板の設置について」(平成25年3月)
  13. 京阪バス「山科営業所 運賃表」(2026年3月29日)
辞典トップへ戻る