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よみひのようじんのおふだ

火迺要慎(ひのようじん)のお札

別の表記・呼び方火迺要慎・火廼要慎・愛宕さんのお札・愛宕神社のお札・千日詣・千日通夜祭

京町家の台所の土間で、かまどの上の柱に細長いお札と樒の小枝が祀られているイラスト

ひとことで言うと

「火迺要慎(ひのようじん)」は、京都市の最高峰・愛宕山の山上にある愛宕神社が授ける火伏せ・防火のお札です。京都では台所やかまど(おくどさん)の近くに貼って火災除けとする習わしがあり、毎年7月31日夜から8月1日早朝の千日詣に参ると千日分の御利益があるといわれます。

30秒でわかる要点

  1. 愛宕神社の火伏・防火のお札で、「愛宕さんの代名詞」とされる

  2. 台所やおくどさんの近くに貼って火災除けにする

  3. 千日詣は7月31日夜〜8月1日早朝。2026年は7月23日から祭礼期間

  4. 三歳までに参ると一生火難を免れるという言い伝えがある

「火迺要慎」はどんなお札?

愛宕神社の公式サイトは、「火迺要慎(ひのようじん)」を防火・火伏に霊験あらたかな「愛宕さんの代名詞」といわれるお札と紹介しています。「迺」は「の」と読む字で、神社は「火、すなわち慎みを要する」という意味を込めた、火への畏れを忘れずに暮らしてきた先人の教え・戒めのことばでもあると説明しています。

同じ案内によると、火迺要慎のお札には大(縦約53cm)と小(縦約39cm)の大きさがあります。愛宕神社は全国に約900社ある愛宕神社の本社で、京都市の最高峰である標高924mの愛宕山の山上に鎮座しています。

台所に貼る習わし

京都市の「京都遺産」のテーマ「世代を越えて受け継がれる火の信仰と祭り」(佛教大学・八木透教授監修)は、愛宕山に参った人が持ち帰る火迺要慎の護符を、台所や厨房に貼って火災除けとすると紹介しています。かまど(京ことばで「おくどさん」)の近くに護符を貼る習わしは、今も昔も変わらないとしています。

愛宕神社の案内には、樒(しきみ)にまつわる習慣も載っています。かつては各家庭で朝いちばんにかまどの火を燃やすとき、愛宕さんで受けてきた樒の葉を1枚火の中に投じて、その日の家内安全と火迺要慎を祈りました。台所の様子が変わった今は、樒をお札と併せて祀るようになったといいます。樒は5本1束で授与されています。

おくどさんおくどさん

愛宕さんと火伏せの信仰

愛宕神社の「御由緒」によると、大宝年間(701〜704年)に役行者と泰澄が朝廷の許しを得て愛宕山に神廟を建てたと伝えられます。神仏習合の時代には白雲寺として栄え、本殿には勝軍地蔵が祀られていましたが、明治初年の神仏分離で白雲寺は廃され、愛宕神社となりました。

京都市の「京都遺産」は、近世の京都では宝永・享保・天明の三度の大火が記録され、人々が火伏せを切実に願ってきたと説明しています。近世には修験者が家々に火伏せの信仰を広め、山から護符と樒を各戸へ配る慣わしが広がったと考えられています。今も京都の多くの地域で、消防団が山で授かった護符を地区の世帯へ配る活動が続いているそうです。

千日分の御利益、千日詣

愛宕神社の案内によると、千日詣(せんにちまいり)は正式には千日通夜祭といい、7月31日の夜から8月1日の早朝にかけて参拝すると千日分の火伏・防火の御利益があるといわれます。毎年数万人が参拝し、麓の清滝から山頂までの約4kmの表参道には、翌朝まで明かりがともされます。

2026年は、神社の「千日詣に関する祭典 諸行事の件」によると、7月23日朝から8月1日早朝までが祭礼の期間でした。夜通しの参拝ができるのは7月31日夕方から8月1日早朝までで、ほかの日は夜間・早朝のお札の授与や社頭での対応はしないと案内されています。日程は年によって変わることがあるので、毎年の公式案内で確かめてください。

2026年(令和8年)の千日詣の日程

日時内容
7月23日 午前9時千日十日祭 開始奉告祭
7月23日〜30日 午前9時〜午後4時神符(お札)授与・祈祷・御朱印
7月31日 午後9時千日通夜祭 夕御饌祭
7月31日 午前8時〜翌早朝神符授与など。夕方からは社頭と参道に明かりがつき夜通し参拝できる
8月1日 午前2時千日通夜祭 朝御饌祭・鎮火神事
出典:愛宕神社社務所「千日詣に関する祭典 諸行事の件」(令和8年)。翌年以降の日程は神社の案内で確認してください。

三歳までに参ると

京都観光Naviの「千日詣り」の案内は、三歳までの子どもが参拝すると一生火難を免れるといわれ、子ども連れの参拝者も多いと紹介しています。京都市の「京都遺産」も、三歳までに参詣すれば一生火の難を避けられるという言い伝えを紹介しています。

京都市の「京都をつなぐ無形文化遺産」によると、千日詣は山頂まで自由に参拝できなかった時代に生まれた風習ともいわれます。山道では、登る人に「おのぼりやす」、下る人に「おくだりやす」と、互いの労をねぎらう声をかけ合います。

おいでやす・おこしやすおいでやす・おこしやす

授かるには・古いお札は

愛宕神社の「アクセス」によると、神社まで車で登る道はなく、各登山口から歩いて参ります。表参道の清滝からは徒歩約2〜3時間で、千日詣の夜も懐中電灯を必ず持つよう呼びかけています。体力的に安全に登れないなどの事情がある人には、事前に電話で申し込めばお札やお守りを郵送で授与するとしています。

一年間守っていただいた古いお札は、感謝を込めて神社に納め、参拝できない場合は近くの氏神様へ返納するよう案内されています。台所に貼ったお札を毎年新しくするのも、火の用心を一年ごとに思い出すきっかけになりそうです。

この項目のミニクイズ

読んだ内容を、2問の四択で確かめてみましょう。

  1. 京都市の「京都遺産」の解説によると、愛宕神社で授かる「火迺要慎」の護符について、京都の多くの地域で消防団が行っている活動は?

  2. 京都観光Naviの愛宕神社「千日詣り」の案内によると、何歳までの子どもが参ると、一生火難を免れるといわれる?

出典・確認情報

内容確認日:2026年10月11日

更新日:2026年10月11日

  1. 愛宕神社「お札」
  2. 愛宕神社「千日詣り」
  3. 愛宕神社社務所「千日詣に関する祭典 諸行事の件」(令和8年)
  4. 愛宕神社「御由緒」
  5. 愛宕神社「愛宕山」
  6. 愛宕神社「アクセス」
  7. 京都市「京都遺産 世代を越えて受け継がれる火の信仰と祭り」
  8. 京都市観光協会 京都観光Navi「千日詣り【愛宕神社】」
  9. 京都市「京都をつなぐ無形文化遺産『千日詣(せんにちまいり)』は、一日で千日分の御利益!?」
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