ほっこり
別の表記・呼び方ほっこりする・ホッコリスル

要点
京ことばでは「ほっとする。つかれが出る」の意味
例文は「用事が終わって、ホッコリシたわ。」
暖かそうなさまを表す用例は1650年の『かた言』にある
江戸時代には、ふかしたさつま芋も「ほっこり」と呼んだ
「ほっこりする」の意味と例文
京ことばの「ほっこりする」は、ほっとする、疲れが出る、という意味です。例文の「用事が終わって、ホッコリシたわ。」は、用事が片付いてほっとした、ちょっと疲れた、という気持ちを表します。
用事や作業を一つ片付けて、ひと息つきたいくらいに疲れたときに言います。終わってほっとした気持ちのときや、体より気持ちが疲れたときにも「ほっこりした」と使います。
「ほっこり」の意味と例文
| 使い方 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 京ことばの「ほっこりする」 | ほっとする。疲れが出る | 用事が終わって、ホッコリシたわ。 |
| 全国で広く使う「ほっこり」 | いかにも暖かそうなさま | ほっこりと暖かい綿入れ/心がほっこりする話 |
| 江戸時代の浮世草子(1783年) | うんざりする。困り果てる | イヤモ世話なもので、ほっこり致しました |
全国の「ほっこり」との違いと似たことば
全国でよく聞く「ほっこり」は、「心がほっこりする話」のように、ほっとして温かい気持ちになることを表します。京ことばの「ほっこりした」は、同じ音でも「少し疲れた」の意味です。京ことばとして「ほっこりしたわ」と言うときは、心が温まった話ではなく、ひと仕事終えてひと息ついているところだと受け取ると話が合います。
温かい気持ちを表す「ほっこり」は、テレビ番組などを通じて全国でよく使われるようになったともいわれます。暖かそうなさまを表す使い方そのものは17世紀からあり、京ことばの「疲れた」とは別の使い方です。
疲れたことをはっきり言うときは、「しんどいねん」(疲れた)という言い方もあります。「ほっこりした」は、疲れと一緒に、やり終えてほっとした気持ちも含む言い方です。
「ほ」は「火」? 江戸時代の「ほっこり」
暖かそうなさまの例は、1650年の『かた言』にあります。安原貞室(やすはらていしつ)が、当時の京都のなまりや方言を集めて正しい言い方と並べた本です。そこでは「ほっこり」を温まる意味のことばとみて、「ほ」は「火」だろうと書いています。語源として定まった説ではありません。
江戸時代の文献では、意味の幅が広がります。色つやがよく明るいさまの例は、『かた言』より早い1643年の俳諧『新増犬筑波集』(しんぞういぬつくばしゅう)にあります。そのほか、ふくよかなさま(1734年の狂歌)や、ふかした芋がふっくら柔らかいさまを表す例があり、1732年の浮世草子には、気持ちが晴れたり、仕事や気がかりなことが片付いたりして、すっきりする意味の例があります。1783年の浮世草子には「イヤモ世話なもので、ほっこり致しました」と、うんざりした、困り果てたという意味の例も見えます。
さつま芋も「ほっこり」
名詞の「ほっこり」は、ふかしたさつま芋のことでした。『東海道中膝栗毛』(1802〜09年)には「ほっこり買ふて喰てござるも」という一節があります。大坂では、夜に荷を担いで「ほっこり、ほっこり」と呼び売りして歩く蒸し芋屋があったともいわれます。
この項目のミニクイズ
京ことばの例文「用事が終わって、ほっこりしたわ。」。この「ほっこりした」に近い意味はどれ?
1650年に京都のなまりや方言を集めた『かた言』は、温まる意味の「ほっこり」の「ほ」を何だろうと書いている?
出典・確認情報
内容確認日:2026年11月8日
更新日:2026年11月8日
