寺社・文化財

京都市内の国宝建造物

京都市内の国宝建造物を表す和紙コラージュ風の挿絵。手前に木造の五重塔、その奥に曲線の屋根をもつ唐門と大きな瓦屋根の本堂、横に赤れんがのアーチ橋(水路閣)が並び、小さな人影が歩いている

要点

  1. 表の指定名には、西本願寺が「本願寺」となるなど通称と違うものがある

  2. 1件に複数の棟を含むことがあり、二条城二の丸御殿は6棟で1件

  3. 区別では東山区が9件で最も多い

  4. 金閣(鹿苑寺)は1955年の再建なので国宝ではない

寺社ごとの件数と指定名

国宝の建造物は「件」で数え、いくつかの建物をまとめて1件とすることがあります。二条城の二の丸御殿は、遠侍及び車寄・式台・大広間・蘇鉄之間・黒書院・白書院の6棟で1件、琵琶湖疏水施設は第一〜第三隧道(ずいどう)・インクライン・南禅寺水路閣の5か所で1件です。

棟で数えると、京都府全体の国宝建造物は81棟(全国303棟)で全国1位です。

指定名はふだんの呼び名と違うものがあり、東寺は「教王護国寺(きょうおうごこくじ)」、西本願寺は「本願寺」、上賀茂神社は「賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)」、下鴨神社は「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」です。

京都市内の国宝建造物の件数(寺社別)

  • 本願寺(西本願寺)7件
  • 教王護国寺(東寺)4件
  • 醍醐寺4件
  • 醍醐寺三宝院2件
  • 慈照寺(銀閣寺)2件
  • 大徳寺(本坊)2件
  • 知恩院2件
ほかの21件は1か所に1件ずつです。

一覧(1)下京区・南区・中京区・上京区

堀川通に沿って南から北へ、東寺・観智院、西本願寺、二条城が並びます。

国宝建造物の一覧(1)下京区・南区・中京区・上京区の15件(2026年4月1日時点)

指定名称通称・場所棟数建立年代区
本願寺御影堂西本願寺1棟江戸前期(1636年)下京区
本願寺阿弥陀堂西本願寺1棟江戸後期(1760年)下京区
本願寺書院(対面所及び白書院)西本願寺1棟江戸前期(1618年)下京区
本願寺黒書院及び伝廊西本願寺2棟江戸前期(1657年)下京区
本願寺飛雲閣西本願寺1棟桃山下京区
本願寺唐門西本願寺1棟桃山下京区
本願寺北能舞台西本願寺1棟桃山(1581年)下京区
教王護国寺金堂東寺1棟桃山(1603年)南区
教王護国寺五重塔東寺1基江戸前期(1643年)南区
教王護国寺大師堂(西院御影堂)東寺1棟室町前期(1380年)南区
教王護国寺蓮花門東寺1棟鎌倉前期南区
観智院客殿東寺の塔頭・観智院1棟桃山(1605年)南区
二条城(二の丸御殿)二条城6棟桃山(1625〜26年)中京区
北野天満宮(本殿、石の間、拝殿及び楽の間)北野天満宮1棟桃山(1607年)上京区
大報恩寺本堂(千本釈迦堂)千本釈迦堂1棟鎌倉前期(1227年)上京区
建立年代は国の指定データの時代区分と西暦(年が特定されているもののみ)。

一覧(2)東山区・左京区・山科区

東山区は9件で、区の中では最も多く、鴨川の東、東山のふもとに南から順に東福寺、三十三間堂、豊国神社、清水寺、八坂神社、知恩院と続きます。八坂神社本殿は2020年12月に国宝になった、市内の社寺ではいちばん新しい指定です。

国宝建造物の一覧(2)東山区・左京区・山科区の14件

指定名称通称・場所棟数建立年代区
蓮華王院本堂(三十三間堂)三十三間堂1棟鎌倉前期(1266年)東山区
妙法院庫裏妙法院1棟桃山東山区
豊国神社唐門豊国神社1棟桃山東山区
清水寺本堂清水寺1棟江戸前期(1633年)東山区
八坂神社本殿八坂神社1棟江戸前期(1654年)東山区
知恩院三門知恩院1棟江戸前期(1621年)東山区
知恩院本堂(御影堂)知恩院1棟江戸前期(1639年)東山区
東福寺三門東福寺1棟室町中期(1405年)東山区
竜吟庵方丈東福寺の塔頭・龍吟庵1棟室町前期(1387年)東山区
慈照寺銀閣銀閣寺1棟室町後期(1489年)左京区
慈照寺東求堂銀閣寺1棟室町後期(1485年)左京区
南禅寺方丈南禅寺1棟桃山左京区
賀茂御祖神社(東本殿・西本殿)下鴨神社2棟江戸末期(1863年)左京区
琵琶湖疏水施設(第一・第二・第三隧道、インクライン、南禅寺水路閣)琵琶湖疏水5か所明治(1888〜90年)山科区・左京区(第一隧道は大津市にまたがる)
琵琶湖疏水施設は2025年8月27日に国宝に指定。

一覧(3)伏見区・北区・右京区

伏見区の7件は醍醐と日野にあります。醍醐寺は下醍醐の五重塔・金堂と上醍醐の薬師堂・清滝宮拝殿で4件、塔頭の三宝院が2件、法界寺が1件です。北区の5件のうち4件は紫野の大徳寺にまとまり、右京区は仁和寺、広隆寺、栂尾(とがのお)の高山寺に1件ずつです。

国宝建造物の一覧(3)伏見区・北区・右京区の15件

指定名称通称・場所棟数建立年代区
醍醐寺五重塔醍醐寺(下醍醐)1基平安中期(952年)伏見区
醍醐寺金堂醍醐寺(下醍醐)1棟平安後期伏見区
醍醐寺薬師堂醍醐寺(上醍醐)1棟平安後期(1121年)伏見区
醍醐寺清滝宮拝殿醍醐寺(上醍醐)1棟室町中期(1434年)伏見区
三宝院殿堂(表書院)醍醐寺三宝院1棟桃山(1598年)伏見区
三宝院唐門醍醐寺三宝院1棟桃山伏見区
法界寺阿弥陀堂法界寺(日野)1棟鎌倉前期伏見区
賀茂別雷神社(本殿・権殿)上賀茂神社2棟江戸末期(1863年)北区
大徳寺(方丈及び玄関)大徳寺本坊2棟江戸前期(1635〜36年)北区
大徳寺唐門大徳寺本坊1棟桃山北区
大仙院本堂大徳寺の塔頭・大仙院1棟室町後期(1513年)北区
龍光院書院大徳寺の塔頭・龍光院1棟江戸前期(寛永年間)北区
仁和寺金堂仁和寺1棟桃山(1613年)右京区
広隆寺桂宮院本堂広隆寺1棟鎌倉前期(1251年以前)右京区
高山寺石水院(五所堂)高山寺1棟鎌倉前期右京区

建立の時代と指定の年

市内で最も古い国宝建造物は、952年(天暦6年)に建てられた伏見区の醍醐寺五重塔です。社寺の建物でいちばん新しいのは、1863年(文久3年)に建て替えられた上賀茂神社の本殿・権殿と下鴨神社の東本殿・西本殿で、それより新しいのは明治の琵琶湖疏水施設(1888〜1890年)だけです。

指定の時期で見ると多くは1951〜1963年で、その後に2002年の知恩院三門と本堂、2014年の西本願寺御影堂と阿弥陀堂、2020年の八坂神社本殿、2025年8月の琵琶湖疏水施設が加わりました。なお、金閣(鹿苑寺)は国宝ではありません。1950年に焼失し、1955年に再建された建物のためです。

時代別の件数

時代件数
平安3
鎌倉6
室町7
桃山14
江戸前期10
江戸後期・末期3
明治1
国の指定データの時代区分で集計。

半日で回る堀川通・東山・醍醐・紫野のコース

京都市内の国宝建造物の分布(模式図)

京都市内の国宝建造物がある寺社と二条城の位置を、鴨川と主な通りを目印に示した地図
点の大きさは件数のめやすで、琵琶湖疏水施設は線で示しています。
  • 堀川通コース:東寺と観智院→西本願寺→二条城。徒歩と市バスでつなげます。
  • 東山コース:三十三間堂→豊国神社唐門→清水寺→八坂神社→知恩院(三門・御影堂)と東山のふもとを北へ。地下鉄東西線で蹴上駅へ移れば、南禅寺の方丈と水路閣も同じ日に見られます。
  • 醍醐コース:地下鉄東西線の醍醐駅から醍醐寺へ。下醍醐の五重塔・金堂と三宝院の唐門・表書院は平地で回れ、山道を登る上醍醐を省いても4件見られます。
  • 紫野コース:大徳寺の本坊(方丈及び玄関・唐門)と塔頭の大仙院、龍光院。公開範囲は時期で変わります。

この項目のミニクイズ

  1. 京都市内にある国の重要文化財(建造物)は、令和8年(2026年)4月1日現在で何件?

  2. 京都市内の国宝建造物44件のうち、神社やお寺の建物ではないのは二条城二の丸御殿と、もう1件はどれ?

出典・確認情報

内容確認日:2026年10月17日

更新日:2026年10月17日

  1. 文化庁「国指定文化財等データベース」(国宝・重要文化財(建造物)、京都府、国宝で検索)
  2. 文化庁「国指定文化財等データベース 醍醐寺五重塔」
  3. 文化庁「国指定文化財等データベース 八坂神社本殿」
  4. 文化庁「国指定文化財等データベース 琵琶湖疏水施設(第一隧道)」
  5. 文化庁「国指定文化財等データベース 二条城(二の丸御殿遠侍及び車寄)」
  6. 京都市文化財保護課「京都市内文化財件数」(令和8年4月1日現在)
  7. 京都府「京都府の1番」
  8. 南禅寺「アクセス」
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