寺社・文化財

京都の寺社の正式名称と読み方

寺の山門と神社の朱色の鳥居が並び、それぞれの軒下に文字のない大きな木の扁額が掛かる切り絵風のイラスト。手前に小さな木札の束と折りたたんだ地図があり、参拝者が扁額を見上げている

要点

  1. 東寺の正式名は教王護国寺(きょうおうごこくじ)、西本願寺は本願寺、東本願寺は真宗本廟(しんしゅうほんびょう)

  2. 上賀茂神社は賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)、下鴨神社は賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)

  3. 正式な名乗りは山号から始まり、天龍寺は元号を寺号にすることを比叡山に反対されて改名した

  4. 通称の多くは、建物の名や形、寺のある場所、寺を開いた人の話から生まれた

通称と正式名が違う寺

金閣寺(鹿苑寺)と銀閣寺(慈照寺)は、どちらも相国寺(しょうこくじ)の塔頭(たっちゅう)の一つです。

国の文化財の指定名称は、多くが正式名で書かれます。「教王護国寺五重塔」とあれば東寺の五重塔、「本願寺御影堂」とあれば西本願寺の御影堂のことです。

通称と正式名が違う京都市内の主な寺

通称正式名称読み所在区
金閣寺鹿苑寺ろくおんじ北区
銀閣寺慈照寺(山号を付けて東山慈照寺)じしょうじ左京区
東寺教王護国寺きょうおうごこくじ南区
西本願寺本願寺ほんがんじ下京区
東本願寺真宗本廟しんしゅうほんびょう下京区
三十三間堂蓮華王院(三十三間堂はその本堂)れんげおういん東山区
千本釈迦堂大報恩寺だいほうおんじ上京区
六角堂頂法寺ちょうほうじ中京区
八坂の塔法観寺(塔の指定名称は法観寺五重塔(八坂塔))ほうかんじ東山区
苔寺西芳寺さいほうじ西京区
永観堂禅林寺ぜんりんじ左京区
真如堂真正極楽寺しんしょうごくらくじ左京区
くろ谷さん金戒光明寺こんかいこうみょうじ左京区
革堂(こうどう)行願寺ぎょうがんじ中京区
因幡堂(因幡薬師)平等寺びょうどうじ下京区
千本閻魔堂引接寺いんじょうじ上京区
鈴虫寺華厳寺けごんじ西京区
金閣・鹿苑寺の三層建築銀閣・慈照寺と東山文化東寺と醍醐寺の五重塔三十三間堂(蓮華王院本堂)千本釈迦堂(大報恩寺本堂)西本願寺の国宝建築

神社の正式名

上賀茂神社の正式名「賀茂別雷神社」は、祭神の賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)と同じ名です。

八坂神社は1868年(慶応4年・明治元年)まで「祇園社」「祇園感神院(ぎおんかんしんいん)」と称していました。今も「祇園さん」と呼ばれるのは、この旧称に由来します。

通称と正式名が違う京都市内の主な神社

通称正式名称読み所在区
上賀茂神社賀茂別雷神社かもわけいかづちじんじゃ北区
下鴨神社賀茂御祖神社かもみおやじんじゃ左京区
蚕ノ社木嶋坐天照御魂神社このしまにますあまてるみたまじんじゃ右京区
祇園さん八坂神社やさかじんじゃ東山区
北野の天神さん北野天満宮きたのてんまんぐう上京区
お稲荷さん伏見稲荷大社ふしみいなりたいしゃ伏見区
葵祭の由来と行列祇園祭の一か月と山鉾北野天満宮と天神さんの25日

山号から名乗ると長くなる寺

寺の正式な名乗りには、頭に山号(さんごう)が付きます。禅寺には寺号そのものが長いものもあり、南禅寺の正式名称は瑞龍山 太平興国南禅禅寺、相国寺は萬年山 相国承天禅寺です。天龍寺は初め暦応資聖禅寺と号しましたが、元号の「暦応」を寺号にすることに比叡山が反対したため、天龍資聖禅寺に改めました。

ほかにも清水寺は音羽山清水寺、高山寺は栂尾山高山寺と名乗ります。知恩院は1234年(文暦元年)に源智上人が仏殿などを建てて知恩教院大谷寺と号しました。仁和寺は元号の仁和から、建仁寺は元号の建仁から寺号がとられ、仁和寺は「旧御室御所」とも名乗ります。広隆寺には太秦寺・蜂岡寺という別称があります。

山号を付けた正式な名乗り(京都市内の主な寺)

寺(ふだんの呼び名)山号と寺号山号の読み所在区
南禅寺瑞龍山 太平興国南禅禅寺ずいりょうざん左京区
相国寺萬年山 相国承天禅寺まんねんざん上京区
天龍寺霊亀山 天龍資聖禅寺れいきさん右京区
東福寺慧日山 東福寺えにちさん東山区
大徳寺龍寶山 大徳寺りゅうほうざん北区
建仁寺東山 建仁寺とうざん東山区
妙心寺正法山 妙心寺しょうぼうざん右京区
六角堂紫雲山 頂法寺しうんざん中京区
真如堂鈴聲山 真正極楽寺れいしょうざん左京区
天龍寺の山号は「れいきさん」、東福寺の山号は「えにちさん」と濁らずに読みます。
東寺金堂・三宝院唐門・南禅寺方丈清水寺本堂と懸造広隆寺の弥勒菩薩鳥獣戯画と高山寺

建物・場所・開いた人から生まれた通称

  • 金閣寺・銀閣寺:舎利殿の金閣があまりに有名なため、鹿苑寺は通称「金閣寺」と呼ばれます。「銀閣寺」の名は、江戸時代に金閣寺と対にして呼ばれ始めたとされます。
  • 三十三間堂:蓮華王院の本堂は、内陣の柱間が33あることから「三十三間堂」と通称されます。
  • 千本釈迦堂:大報恩寺は千本通のそばにあることから「千本釈迦堂」と呼ばれています。
  • 六角堂:頂法寺の本堂が六角形をしていることから、六角堂と呼ばれます。
  • 革堂:言い伝えでは、1004年(寛弘元年)に行願寺を建てた行円が、射止めた鹿の皮の衣を身につけて「皮聖」と呼ばれ、寺も革堂と称されるようになりました。
  • 真如堂:真正極楽寺の本堂を表す「真如堂」が、通称として定着しました。
  • 東本願寺:本願寺は1591年に堀川七条へ移りました(今の西本願寺)。1602年に教如上人が徳川家康から烏丸六条・七条間の地を寄進されて開いたのが真宗本廟で、一般に「東本願寺」と呼ばれています。
  • 東寺:796年、平安京の羅城門の東西に建てられた2つの官寺のうち、東側の寺です(西側は西寺)。

読み方に注意したい正式名

  • 賀茂別雷神社:国の文化財の指定名称では、ふりがなを「かもわけいかずちじんじゃ」と「ず」で書きます。
  • 木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ):右京区太秦の蚕ノ社(かいこのやしろ)の正式名です。
  • 真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)、引接寺(いんじょうじ)、金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)も、字から読みを当てにくい寺名です。
  • 勧修寺:山科区の寺は「かじゅうじ」、周辺の町名は「かんしゅうじ」と読み分けます。
  • 新熊野神社(いまくまのじんじゃ):地名の今熊野は「いまぐまの」と濁ります。右京区の車折神社は「くるまざきじんじゃ」、伏見区の御香宮神社は「ごこうのみやじんじゃ」です。
かいこのやしろ蚕ノ社かんしゅうじ勧修寺いまぐまの今熊野くるまざきじんじゃ車折神社

文化財の指定名称と世界遺産の資産名

世界遺産「古都京都の文化財」の資産も、賀茂別雷神社・賀茂御祖神社・教王護国寺・鹿苑寺・慈照寺・西芳寺・本願寺のように正式名で並びます。東本願寺の御影堂などは2019年(令和元年)9月30日に重要文化財になり、指定名称は「真宗本廟東本願寺」です。

北野天満宮、伏見稲荷大社、醍醐寺、平等院(宇治市)などは、ふだんの名前がそのまま国の文化財の指定名称にも使われています。「鹿苑寺(金閣寺)庭園」「蓮華王院本堂(三十三間堂)」「法観寺五重塔(八坂塔)」のように、通称をかっこで添えた指定名称もあります。字が違うものもあり、龍安寺の本堂の指定名称は「竜安寺本堂」、石庭で知られる方丈庭園は「龍安寺方丈庭園」です。

古都京都の文化財と17の構成資産

八坂神社・六角堂・東寺への行き方

八坂神社(東山区祇園町北側625)は24時間参拝でき、京阪「祇園四条」駅から徒歩約5分です(2026年10月時点)。西楼門を入って左手の西手水舎(にしてみずや)の石甕には、旧称の「感神院」の文字が刻まれています。

六角堂(中京区六角通東洞院西入堂之前町248)は境内自由・無料で、地下鉄「烏丸御池」駅5番出口から徒歩3分。東寺(南区九条町1)は御影堂や食堂(じきどう)の拝観が無料で、近鉄「東寺」駅から徒歩約10分です。

この項目のミニクイズ

  1. 南区の東寺の正式名「教王護国寺」の読み方は?

  2. 中京区の行願寺が「革堂(こうどう)」と呼ばれるようになった由来として伝わるのは?

出典・確認情報

内容確認日:2026年10月18日

更新日:2026年10月18日

  1. 文化庁「国指定文化財等データベース」
  2. 文化庁「国指定文化財等データベース 鹿苑寺(金閣寺)庭園」
  3. 文化庁「国指定文化財等データベース 慈照寺銀閣」
  4. 文化庁「国指定文化財等データベース 教王護国寺五重塔」
  5. 文化庁「国指定文化財等データベース 本願寺御影堂」
  6. 文化庁「国指定文化財等データベース 真宗本廟東本願寺 御影堂」
  7. 文化庁「国指定文化財等データベース 蓮華王院本堂(三十三間堂)」
  8. 文化庁「国指定文化財等データベース 大報恩寺本堂(千本釈迦堂)」
  9. 文化庁「国指定文化財等データベース 法観寺五重塔(八坂塔)」
  10. 文化庁「国指定文化財等データベース 西芳寺庭園」
  11. 文化庁「国指定文化財等データベース 竜安寺本堂」
  12. 文化庁「国指定文化財等データベース 龍安寺方丈庭園」
  13. 文化庁「国指定文化財等データベース 金戒光明寺三重塔」
  14. 文化庁「国指定文化財等データベース 引接寺塔婆」
  15. 文化庁「国指定文化財等データベース 木造阿弥陀如来立像(見返り阿弥陀)」(禅林寺)
  16. 文化庁「国指定文化財等データベース 紙本墨画淡彩寒山拾得図」(真正極楽寺)
  17. 文化庁「国指定文化財等データベース 南禅寺方丈」
  18. 文化庁「国指定文化財等データベース 賀茂別雷神社 本殿」
  19. 文化庁「国指定文化財等データベース 賀茂御祖神社 東本殿」
  20. 文化庁「国指定文化財等データベース 八坂神社本殿」
  21. 文化庁「国指定文化財等データベース 北野天満宮(本殿、石の間、拝殿及び楽の間)」
  22. 文化庁「国指定文化財等データベース 伏見稲荷大社 本殿」
  23. 文化庁「国指定文化財等データベース 御香宮神社本殿」
  24. 文化庁「国指定文化財等データベース 醍醐寺五重塔」
  25. 文化庁「国指定文化財等データベース 平等院鳳凰堂 中堂」
  26. 文化庁「世界遺産 古都京都の文化財 推薦書 教王護国寺(通称:東寺)内容説明」
  27. 京都市「世界遺産『古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)』」
  28. 京都市「都市史01 秦氏」
  29. 京都市教育委員会「京都市通学区町名一覧(東山区)」
  30. 京都市教育委員会「京都市通学区町名一覧(山科区)」
  31. 鹿苑寺(金閣寺)「鹿苑寺について」
  32. 慈照寺(銀閣寺)「銀閣寺について」
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  39. 真宗大谷派(東本願寺)「東本願寺の歴史」
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  64. 八坂神社「八坂神社の歴史」
  65. 八坂神社「境内マップ・アクセス」
  66. 京都市観光協会 京都観光Navi「教王護国寺(東寺)」
  67. 京都市観光協会 京都観光Navi「本願寺(西本願寺)」
  68. 京都市観光協会 京都観光Navi「紫雲山 頂法寺(六角堂)」
  69. 京都市観光協会 京都観光Navi「法観寺(八坂の塔)」
  70. 京都市観光協会 京都観光Navi「西芳寺(苔寺)」
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  75. 京都市観光協会 京都観光Navi「平等寺(因幡堂)」
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  84. 京都市観光協会 京都観光Navi「御香宮神社」
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