あぶり餅
別の表記・呼び方あぶりもち・炙り餅・今宮神社のあぶり餅

要点
今宮神社の東門前の参道に2軒。北側が一和、南側がかざりや
一和は長保2年(1000年)の創業と伝わる
一和の建物は、京都市の「京都を彩る建物や庭園」の認定第1号
2軒とも10時〜17時。定休日は水曜(1日・15日・祝日なら翌日。2026年11月時点)
竹串に刺してあぶる小さな餅
あぶり餅は、小さく切った餅を細い竹串に刺して炭火であぶり、白味噌のたれにつけて食べる餅菓子です。餅米の炊き方、竹串の作り方、あぶり方、白味噌のたれの味は、店ごとに受け継がれています。
竹串には、神社に奉納された竹の斎串(いぐし)が使われてきたとされます。疫神に供えた餅と奉納された竹の串で作るため、あぶり餅はご利益のあるものとして参拝する人に広まったといわれます。
今宮神社と疫神を鎮める信仰
今宮神社(北区紫野今宮町)は、平安京ができる前から疫神を祀る社があったと伝わる地に建つ神社です。正暦5年(994年)、都に広がった疫病を鎮めるため、疫神を船岡山に移して紫野御霊会(むらさきのごりょうえ)を営み、長保3年(1001年)に今の場所に神殿を設けて再び御霊会を営みました。「今宮」の名は、この新しい宮に由来します。
あぶり餅の始まりは、この御霊会のときに神前に供えた餅ではないかといわれます。本社の西には、本社より前から疫神が鎮まるといわれる摂社の疫神社があります。
毎年4月第2日曜日、桜の咲くころに営まれるやすらい祭も、疫神を鎮める祭礼です。疫病を鎮め平安を願う祭りで、「やすらい花」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。あぶり餅も、この神社の疫神鎮めの信仰と結びついて伝えられてきたといわれます。
東門前の2軒――一和とかざりや
今宮神社の東門を出た石畳の参道をはさみ、北側に一和(一文字屋和輔、いちもんじやわすけ)、南側にかざりやが向かい合って建っています。2軒とも、売っているのはあぶり餅だけです。
一和は長保2年(1000年)の創業と伝わる茶店です。建物は古いもので約400年前のものと伝えられ、通りに面して東棟・中店・西棟が並びます。1階の板戸を開け放つと店先が通りに大きく開き、2階には手すりの付いた窓が並ぶ、門前の茶屋らしい構えです。京都市の「京都を彩る建物や庭園」に第1号として認定され、景観重要建造物にもなっています。
一和は、2020年12月にギネス世界記録で、営業を続けている最も古い菓子店とされました。この記録でも、創業は西暦1000年ごろとされています。
東門前のあぶり餅の店(2026年11月時点)
| 店 | 参道での位置 | 所在地 | 営業時間 | 定休日 |
|---|---|---|---|---|
| 一和(一文字屋和輔) | 北側 | 北区紫野今宮町69 | 10時〜17時 | 水曜(1日・15日・祝日に当たる場合は翌日)、年末 |
| かざりや | 南側 | 北区紫野今宮町96 | 10時〜17時 | 水曜(1日・15日・祝日に当たる場合は翌日)、年末 |
行き方
今宮神社へは、市バス「今宮神社前」で降りてすぐ、市バス「船岡山」からは歩いて約7分です。2軒は東門のすぐ前にあり、「今宮神社前」から歩いて1分ほどです。
境内は自由に参拝でき、社務所は9時〜17時です(2026年11月時点)。今宮通をはさんだ南側には大徳寺の境内が広がり、塔頭と合わせて歩けます。
この項目のミニクイズ
今宮神社の東門前で売られるあぶり餅。炭火であぶった餅に付けるたれのもとになるものは?
あぶり餅の始まりとも関わるとされる、今宮神社の起こり。正暦5年(994年)に疫病を鎮めるため営まれた行事は?
今宮神社の東門前であぶり餅を売る一和(一文字屋和輔)。建物の古い部分は、約何年前のものと伝えられている?
出典・確認情報
内容確認日:2026年11月8日
更新日:2026年11月8日
