初午――伏見稲荷大社の初午大祭としるしの杉
別の表記・呼び方初午大祭・初午詣・福参り・しるしの杉・青山飾り

要点
2027年の初午は暦では2月8日(月)。祭典は例年8時からで、2027年の案内は2026年11月時点で未発表
2日前の辰の日に、稲荷山の杉と椎の枝で作る「青山飾り」を本殿や摂社・末社に飾る
初午の参拝は「福参り(福詣)」とも呼ばれ、前日の巳の日から参拝者が増える
旧暦の初午には、稲荷山中の御膳谷奉拝所で「お塚大祭」が営まれる
2027年の初午は2月8日(月)――毎年日付が変わるわけ
日には十干と十二支を組み合わせた60通りの干支が順に割り当てられていて、午の日は12日ごとに巡ってきます。2月で最初の午の日が初午なので、日付は年ごとに変わり、2026年の初午大祭は2月1日(日)でした。
暦で数えると、2027年(令和9年)の1月1日は庚辰(かのえたつ)の日で、2月最初の午の日は2月8日(月曜日)の戊午(つちのえうま)にあたります。2027年の初午大祭の案内は2026年11月時点ではまだ出ていませんが、例年は初午の日の8時から祭典が行われます。
2027年の暦で見た初午のころ
| 日付 | 日の干支 | 例年の行事 |
|---|---|---|
| 2月6日(土) | 丙辰(ひのえたつ) | 辰の日。稲荷山の杉と椎の枝で作った青山飾りを本殿や摂社・末社に飾る |
| 2月7日(日) | 丁巳(ひのとみ) | 巳の日。この日から境内は参拝者でにぎわう |
| 2月8日(月) | 戊午(つちのえうま) | 初午。8時から初午大祭 |
和銅4年2月の初午と「福参り」
社伝では、稲荷大神が稲荷山の三ケ峰(みつがみね)に初めて鎮座したのは、和銅4年(711年)2月の初午の日とされます。この「2月」は旧暦の月です。各地で天候が不順で五穀の実りが悪い年が続き、朝廷が名山大川に勅使を送って祈らせたところ神の教えがあり、山背国の稲荷山に大神を祀ると五穀がよく実った、その祭りの日が和銅4年2月の初午だったという伝えがあります。ただ、稲荷社の起こりを記す最も古い記録とされる『山城国風土記』の逸文には、まだ和銅4年という年は出てきません。
2月の初午に稲荷山へお参りすると福を授かるとされ、平安時代から多くの人が毎年この日に参詣したと伝わります。初午の参拝が今も「福参り(福詣)」と呼ばれるのはそのためです。都の巽(たつみ、南東)に鎮まる稲荷の神は福を授ける神だと信じられていたことも、この呼び名が定着した背景にあるとされます。
今の初午大祭は、新暦の2月で最初の午の日に行われます。一方、稲荷山の三ケ峰の北の背後にあたる御膳谷奉拝所(ごぜんだにほうはいしょ)では、旧暦の初午を祝う「お塚大祭」が営まれます。
しるしの杉と青山飾り、畑菜の辛子和え
初午の2日前の辰の日には、稲荷山の杉と椎の枝で「青山飾り」を作り、本殿をはじめ摂社・末社に飾って初午を迎えるならわしがあります。
初午の日に授与される「しるしの杉」は、商売繁昌・家内安全の御符(しるし)として古くから受けられてきた縁起物で、授与は有料です。稲荷山に生える杉はすべて稲荷の神が宿るご神木とされ、平安時代には熊野詣の行き帰りに稲荷社へ参り、杉の小枝をいただいて身につけるのが習わしでした。永保元年(1081年)10月に藤原為房が熊野詣の帰りに杉の枝を笠に差して京に入った記録や、平治元年(1159年)12月、熊野へ向かう途中で急ぎ京へ引き返した平清盛の一行が稲荷社で杉の枝を折り、鎧の袖に差したという『平治物語』の場面が伝わります。
『新撰六帖』には「きさらぎやけふ初午のしるしとて稲荷の杉はもとつ葉もなし」という光俊朝臣の歌があります。初午に参った人々がしるしの小枝を取っていくので、稲荷山の杉の葉がなくなってしまったと、少し大げさに詠んだものです。
京都には初午の日に畑菜(はたな)の辛子和えを食べる習慣があります。大社を創建した秦伊呂具(はたのいろぐ)の名にかけて畑菜を使い、狐の毛の色にもちなんだ料理だと伝えられています。
初午の日の参拝――無料の境内と混雑、子ども連れの注意
伏見稲荷大社の境内は閉門がなく、初午の日も参拝は無料です。初午詣は前日の巳の日から始まり、当日にかけて社頭は参拝者であふれます。京都の春先の祭りの中でも、とくに大きなものの一つとされます。授与所は、ふだんは8時から18時までです。
境内では、決められた休憩所以外での飲食(食べ歩きなど)、指定の場所以外にベビーカーなどを置いたままにすること、ペットを連れての参拝、狭い参道で立ち止まって撮影し通行を妨げることが禁止されています。
2月の初午は、古くから稲荷山を参る「お山詣」がさかんな日でもありました。お山をめぐるなら一周約4km・約2時間で、車いすで行けるのは奥社奉拝所までです(エレベーターあり)。
行き方
伏見稲荷大社は伏見区深草薮之内町68にあります。JR奈良線の稲荷駅を降りてすぐ(京都駅から約5分)、京阪本線の伏見稲荷駅から東へ徒歩約5分、市バス南5系統の「稲荷大社前」から東へ徒歩約7分です。
大社の駐車場の周りの道路はふだんから大変混むため、参拝には公共の交通機関を使うよう呼びかけられています。参拝以外の目的での駐車はできません。
この項目のミニクイズ
京都で初午の日に食べる習慣があり、伏見稲荷大社を創建した秦伊呂具(はたのいろぐ)の名にかけたと伝わる料理は?
出典・確認情報
内容確認日:2026年11月8日
更新日:2026年11月8日
