年中行事

京都ゑびす神社と十日ゑびす――『商売繁盛で笹持ってこい』

別の表記・呼び方京都えびす神社・恵美須神社・十日ゑびす・初ゑびす・えべっさん 京都・宵ゑびす・残り福

冬の夜の京都の神社の境内で、朱色の鳥居と本殿の前に提灯がともり、小判や鯛、俵などの縁起物を付けた笹を手にした参拝者が行き交い、授与所では舞妓が笹を手渡し、小さな親子が笹を持って歩いている和紙コラージュ風の挿絵。

要点

  1. 十日ゑびすは例年1月8日〜12日の5日間。2026年は9日と10日が夜通しの開門だった

  2. 建仁2年(1202年)、栄西が建仁寺を開くときに鎮守として祀ったのが始まりと伝わる

  3. 11日の残り福祭では、昼に祇園町、夜に宮川町の舞妓さんが福笹を授与

  4. 京阪祇園四条駅から徒歩6分、阪急京都河原町駅から徒歩8分

「ゑびす」の読み方と、まつられている神

「ゑ」は歴史的仮名遣いで使われた仮名で、今の仮名遣いでは「え」にあたります。京都ゑびす神社も「きょうとえびすじんじゃ」と読み、恵美須神社とも書かれます。事代主神(ことしろぬしのかみ)、少彦名神(すくなひこなのかみ)、大国主神をまつり、地元の産土神(うぶすながみ)として信仰されています。

西宮と大阪の今宮の神社と並んで「日本三大ゑびす」の一つとされます。京都で七福神の社寺をめぐる都七福神まいりでは、商売繁盛のゑびす神を受け持っています。七福神のうち、ゑびす神だけが日本生まれの神様といわれます。

栄西と建仁寺の鎮守――始まりの伝え

社伝では、建久2年(1191年)に栄西(えいさい)が宋からの帰りに暴風雨に遭い、船が沈みそうになったとき、海上に恵美須神が現れて難を逃れたと伝わります。栄西は建仁2年(1202年)に建仁寺を開くにあたって、境内に恵美須神をまつって寺の鎮守とし、これが神社の始まりとされます。

応仁の乱を経て建仁寺が建て直されたときにも、神社は位置を変えずに再建されています。平成14年(2002年)には、建立から800年を迎えています。建仁寺そのものの歴史や、法堂の天井の双龍図は別の項目にまとめています。

建仁寺と法堂

十日ゑびすの5日間――招福祭から撤福祭まで

十日ゑびす大祭は、1月10日を中心に前後あわせて5日間行われ、通称を初ゑびすといいます。5日間を通して、商売繁昌・家運隆昌を祈った吉兆笹が授与され、大宝・福俵・福箕(ふくみ)・福熊手・福鯛・宝船などの縁起物や、福銭・小判も並びます。神楽殿では一日中、神楽が奉納されます。10月19日・20日の「二十日ゑびす大祭(ゑびす講)」は、ゑびす神が海から来た旧暦9月20日の祭りで、海へ帰る十日ゑびすと対になるとされます。

十日ゑびすの例年の行事

日行事内容
1月8日招福祭9時に開門。14時から湯立て神楽。23時に閉門
1月9日宵ゑびす祭9時に開門し、招福まぐろを奉納。夜通し開門
1月10日十日ゑびす大祭(初ゑびす)14時から祭典(非公開)。夜通し開門
1月11日残り福祭14〜16時に祇園町、20〜22時に宮川町の舞妓さんが福笹を授与。24時に閉門
1月12日撤福祭9時に開門。22時に閉門
2026年(令和8年)の案内をもとにした例年の目安。時刻や内容は年によって変わることがあるので、神社の案内で確認してください。
八朔

なぜ笹なのか――吉兆笹と「商売繁盛で笹持ってこい」

「商売繁盛で笹持ってこい」の言葉で知られるように、十日ゑびすの縁起物の中心は笹です。笹は松竹梅の竹の葉で、節目正しくまっすぐ伸びる、しなっても折れない、葉が落ちずにいつも青々と茂る、という性質から、家運隆昌・商売繁盛のしるしになったとされます。ゑびす様といえば笹という結びつきは、もともと京都ゑびす神社独自の御札の形が広まったものとする説明もあります。

境内の見どころと、一年の行事

本殿にお参りしたあと、本殿の横の戸板をやさしくトントンとたたいて、もう一度祈るとよいとされます。境内の岩本社には平安時代の歌人・在原業平(ありわらのなりひら)がまつられ、財布塚・名刺塚は、使い終えた財布や名刺を供養するための塚です。

  • 2月の節分: 17時から本殿で悪魔払いの神事と、神主による福豆まき
  • 6月30日の夏越の大祓式: 本殿前の直径約3mの茅の輪をくぐる
  • 9月15日の名刺財布感謝祭: 不要になった名刺を庭火で焚き上げる
  • 11月16日のお火焚祭: 14時から湯立神楽が奉納される
京都の節分

今どこで見られる?/行き方と子ども連れの注意

京都ゑびす神社は東山区大和大路通四条下ル小松町125にあります。京阪祇園四条駅から徒歩6分、阪急京都河原町駅から徒歩8分です。市バスなら「四条京阪前」から徒歩約5分、京都駅からは17・205系統で約10分の「河原町松原」から徒歩約5分です。

十日ゑびすは吉兆笹を求める人で連日にぎわい、2026年は9日と10日が夜通しの開門、8日は23時まで、11日は24時までの開門でした。小さな子どもと行くなら、時刻を確かめて昼の時間帯を選ぶと安心です。ご祈祷は予約制で、十日ゑびすの期間中の受付は9時〜21時(12日は19時まで)です。

をけら詣り八坂神社の本殿と祇園造

この項目のミニクイズ

  1. 「京都ゑびす神社」の「ゑ」は、今の仮名遣いでは何という仮名にあたる?

  2. 京都ゑびす神社の十日ゑびすで、1月11日の残り福祭に福笹の授与を奉仕する舞妓さんは、どこの花街から?

  3. 京都ゑびす神社の境内にある岩本社にまつられている、平安時代の歌人は?

出典・確認情報

内容確認日:2026年10月28日

更新日:2026年10月28日

  1. 京都ゑびす神社「京都ゑびす神社」(令和8年開門と閉門時間のお知らせ)
  2. 京都ゑびす神社「由緒」
  3. 京都ゑびす神社「十日ゑびす大祭(通称 初ゑびす)」
  4. 京都ゑびす神社「年間行事」
  5. 京都ゑびす神社「都七福神」
  6. 京都ゑびす神社「交通案内」
  7. 京都市観光協会 京都観光Navi「十日ゑびす大祭(初ゑびす)【京都ゑびす神社】」(2026年)
  8. 京都市観光協会 京都観光Navi「都七福神めぐり」
  9. 京都市観光協会 京都観光Navi「恵美須神社」(駒札)
  10. 文化庁「現代仮名遣い 付表 歴史的仮名遣い対照表(イ~ワ)」
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