寺社・文化財

京都の五花街――祇園甲部・宮川町・先斗町・上七軒・祇園東と「をどり」

別の表記・呼び方五花街・京都五花街・祇園甲部・宮川町・上七軒・祇園東・都をどり・京おどり・鴨川をどり・北野をどり・祇園をどり・都の賑い・おおきに財団

夕暮れの石畳の花街の通りに木造のお茶屋が並び、軒先に赤い提灯が灯る。奥を小さな舞妓の後ろ姿が歩き、遠くに鴨川と歌舞練場の大屋根が見える挿絵

要点

  1. 読みは祇園甲部(ぎおんこうぶ)・宮川町(みやがわちょう)・先斗町(ぽんとちょう)・上七軒(かみしちけん)・祇園東(ぎおんひがし)

  2. 2026年秋は祇園をどりが11月1日〜10日、上七軒の寿会が11月12日〜18日

  3. 五花街合同公演「都の賑い」は平成6年に始まり、2026年は6月27・28日に南座で開かれた

  4. 祇園甲部歌舞練場の本館・別館・玄関・正門は国の登録有形文化財

五花街はどこにある?――読み方と場所

花街(かがい)は、芸妓や舞妓が舞や唄でお客をもてなすお茶屋の集まる町です。今の京都には、京都花街組合連合会に加わる5つの花街があり、まとめて五花街と呼びます。

4つは鴨川の近くに集まっています。祇園甲部は四条通をはさんで、南は花見小路通を中心に建仁寺の手前まで、北は大和大路通と花見小路通の間の新橋通あたりまで広がり、京都で最も大きな花街とされます。祇園東は四条通の北、花見小路通と東大路通の間にあります。どちらももとは八坂神社の門前の祇園町で、明治14年(1881年)に2つに分けられました。宮川町は鴨川の東、四条通の南から五条通までの宮川筋一帯で、八坂神社の神輿洗いが行われた鴨川を宮川と呼んだことが名の由来とされます。鴨川の西の先斗町は、三条通の一筋南から四条通までの細い通りの花街です。

上七軒だけは北西に離れた上京区の、北野天満宮の東にあります。室町時代に北野天満宮の造営の残り材で7軒の茶屋を建てたのが起こりとされ、京都で最も古い花街ともいわれます。北野大茶会のときに名物の御手洗団子を献じられた豊臣秀吉が茶屋株を許したと伝わり、紋章の五つ団子はこの団子にちなみます。

下京区の島原は、かつて六花街の一つに数えられましたが、1976年(昭和51年)に京都花街組合連合会を脱会し、花街としての営業は翌1977年に終わりました。今の五花街には入っていません。

京都の五花街の位置(模式図)

上を北とした模式図。中央付近を縦に流れる鴨川と、東西にのびる四条通。鴨川の西に先斗町。鴨川の東、四条通の北に大和大路通と花見小路通の間の祇園甲部の北側と、その東に祇園東、四条通の南に花見小路通を中心に建仁寺の手前までの祇園甲部と、鴨川沿いに南へ宮川町。四条通の東の端に八坂神社。左上の小さな枠に、北野天満宮とその東の上七軒。
鴨川の両岸に集まる祇園甲部・祇園東・宮川町・先斗町と、北西に離れた上七軒の位置関係を簡単にした模式図です。花街の境界や距離は正確ではありません。

五花街の読み方・場所・舞踊の流派

花街読み区場所の目安舞踊の流派
祇園甲部ぎおんこうぶ東山区四条通の南は花見小路通を中心に建仁寺の手前まで、北は大和大路通と花見小路通の間の新橋通あたりまで京舞井上流
宮川町みやがわちょう東山区鴨川の東、四条通の南から五条通までの宮川筋若柳流
先斗町ぽんとちょう中京区鴨川と木屋町通の間、三条通の一筋南から四条通まで尾上流
上七軒かみしちけん上京区北野天満宮の東、今出川通七本松の西花柳流
祇園東ぎおんひがし東山区四条通の北、花見小路通と東大路通の間藤間流
ぽんとちょう先斗町しまばら・すみや島原と角屋伝統的建造物群保存地区と岡崎の文化的景観

「をどり」はいつ?――春の4公演と秋の祇園をどり

各花街は、春か秋に芸妓・舞妓総出の舞踊公演を開きます。祇園甲部の都をどりと先斗町の鴨川をどりは、明治5年(1872年)の京都博覧会に来る客をもてなす催しとして始まりました。続いて宮川町の京おどりが昭和25年(1950年)、上七軒の北野をどりと祇園東の祇園をどりが昭和27年(1952年)に初演されています。名前は「をどり」と書く公演と、京おどりのように「おどり」と書く公演があります。

春は3月中旬の北野をどりから5月の鴨川をどりまで続きます。秋には、ほかの4つの花街も温習会・みずゑ會・水明会・寿会といった舞踊会を開きます。

2026年の五花街の舞踊公演と会場

花街春の公演(2026年)秋の公演(2026年)会場
祇園甲部第152回 都をどり(4月1日〜30日)温習会(10月1日〜6日)祇園甲部歌舞練場
宮川町第75回 京おどり(4月4日〜19日)みずゑ會(10月8日〜11日)宮川町歌舞練場三ツ輪座
先斗町第187回 鴨川をどり(5月5日〜22日)第111回 水明会(10月15日〜20日)先斗町歌舞練場
上七軒第74回 北野をどり(3月20日〜4月2日)第75回 寿会(11月12日〜18日)上七軒歌舞練場
祇園東—第67回 祇園をどり(11月1日〜10日)祇園会館
2026年10月時点。2027年の都をどりは4月1日〜30日に祇園甲部歌舞練場で開く予定です。
東京奠都のあとの京都

五花街がそろう「都の賑い」とおおきに財団

京都五花街合同公演「都の賑い」は、平成6年(1994年)に平安建都1200年の記念催事として始まりました。公演は毎年6月で、各花街の演目のほか、五花街の舞妓が同じ舞台に立つ「舞妓の賑い」もあります。2026年は第33回として6月27・28日に南座で開かれ、五花街の芸妓・舞妓約70名が出演しました。

主催の公益財団法人京都伝統伎芸振興財団は、花街の伝統伎芸の保存・継承を目的に平成8年(1996年)に発足しました。愛称の「おおきに財団」は、「おたがいに」「おもいやり」「きくばりして」「にこやかに」の頭文字です。

歌舞練場の建物と、舞妓・芸妓

各花街には、をどりの舞台になる歌舞練場があり、祇園東は祇園会館を歌舞練場として使っています。祇園甲部歌舞練場の本館・別館・玄関は大正2年(1913年)、正門は昭和11年(1936年)の建物で、2001年(平成13年)に国の登録有形文化財になりました。同じ所在地の八坂倶楽部も登録有形文化財です。宮川町では2026年の京おどりが新しくなった歌舞練場で上演され、上七軒歌舞練場は改修のための寄附を募っています(2026年10月時点)。

舞妓になるには、置屋に住み込んで芸事や作法、京ことばを身につけ(仕込み)、座敷に出る見習いを経て、店出しで舞妓になります。その後の衿替えで芸妓になり、舞を受け持つ立方(たちかた)か、唄・三味線・鳴物を受け持つ地方(じかた)として芸を磨きます。

八朔

花街を歩くときに気をつけたいこと

花街は住む人や働く人の暮らしの場です。祇園町南側の住民や祇園甲部のお茶屋組合などは、迷惑行為をしないよう呼びかけています。

  • 歩いている芸妓や舞妓を呼び止める、触る、つきまとう、無断で撮影する
  • 店の前などの私有地での撮影や、私有地への無断の立ち入り
  • 写真のために歩道で立ち止まる、車道にはみ出すなど、道をふさぐこと
  • ごみやたばこの吸い殻のポイ捨て、大声で騒ぐこと、横に広がって歩くこと

今どこで見られる?/行き方

舞台を見るなら、2026年10月29日時点で、秋の公演は祇園をどりと寿会が残っています。どちらも有料で、子ども連れは年齢の条件に注意してください。毎年11月23日の祇園小唄祭(円山公園)は、歌碑の前で舞妓が歌詞を朗読して花を供える行事で、どなたでも見られます。

  • 祇園をどり(2026年11月1日〜10日):祇園会館(八坂神社の石段下)。13時30分と16時の1日2回、約1時間。お茶席付き7,000円・観覧券6,000円で、3歳未満は入場できない。京阪「祇園四条」駅7番出口から四条通を東へ徒歩約5分
  • 寿会(2026年11月12日〜18日):上七軒歌舞練場(上京区今出川通七本松西入真盛町)。16時開演、観覧券10,000円で、未就学児は入場できない。市バス50系統などの「北野天満宮前」「上七軒」から徒歩3分
  • 祇園甲部歌舞練場(東山区祇園町南側):京阪「祇園四条」駅6番出口から徒歩8分。歌舞練場の小劇場では、舞妓の京舞などを約1時間で見られる「ギオンコーナー」が開かれている
  • 宮川町歌舞練場三ツ輪座(東山区宮川筋):京阪「祇園四条」駅から徒歩7分
  • 先斗町歌舞練場(中京区、三条大橋の西詰):京阪「三条」駅6番出口から徒歩5分

この項目のミニクイズ

  1. 五花街の芸妓・舞妓がそろって出演する合同公演「都の賑い」は、何を記念する催しとして始まった?

  2. 上七軒の紋章「五つ団子」は、何にちなむとされる?

出典・確認情報

内容確認日:2026年10月29日

更新日:2026年10月29日

  1. 京都市「京都をつなぐ無形文化遺産 五花街の紹介」
  2. 京都市「京都をつなぐ無形文化遺産 花街が継承する伝統伎芸」
  3. 京都市「京都をつなぐ無形文化遺産 花街のまちなみ」
  4. 京都市「京都をつなぐ無形文化遺産 伝統伎芸とおもてなしの担い手「芸妓」「舞妓」」
  5. 京都市「京都をつなぐ無形文化遺産 もう一つの花街 ~島原~」
  6. 京都伝統伎芸振興財団(おおきに財団)「五花街の紹介・沿革」
  7. 京都伝統伎芸振興財団(おおきに財団)「第33回 京都五花街合同公演「都の賑い」」
  8. 京都伝統伎芸振興財団(おおきに財団)「おおきに財団とは」
  9. 京都伝統伎芸振興財団(おおきに財団)「祇園小唄祭」
  10. 京都市観光協会「2026年「春のをどり」一覧」
  11. 京都市観光協会「2026年「秋のをどり」一覧」
  12. 京都市観光協会「みずゑ會」
  13. 京都市観光協会「第67回 祇園をどり」
  14. 京都市観光協会「第33回 京都五花街合同公演「都の賑い」」
  15. 京都市観光協会「祇園町南側地区からのメッセージ」
  16. 京都市観光協会「マナーを守って素晴らしい京都観光を」
  17. 京都市観光協会 きょうと修学旅行ナビ「京の花街文化」リーフレット
  18. 祇園甲部歌舞会「都をどり」
  19. 祇園甲部歌舞会「アクセス」
  20. 祇園東歌舞会「祇園をどり」
  21. 上七軒歌舞会「上七軒の歴史・アクセス」
  22. 上七軒歌舞会「寿会」
  23. 先斗町歌舞会「鴨川をどり」
  24. 文化庁「国指定文化財等データベース 祇園甲部歌舞練場本館」
  25. 文化庁「国指定文化財等データベース 祇園甲部歌舞練場別館」
  26. 文化庁「国指定文化財等データベース 祇園甲部歌舞練場玄関」
  27. 文化庁「国指定文化財等データベース 祇園甲部歌舞練場正門」
  28. 文化庁「国指定文化財等データベース 八坂倶楽部」
  29. 京都伝統伎芸振興財団(おおきに財団)「ギオンコーナー」
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