年中行事

よみろくどうまいり

六道まいり

別の表記・呼び方精霊迎え・お精霊迎え・六道参り・迎え鐘・六道さん

夏の朝、寺の鐘楼の前に高野槇の枝を手にした参詣者が並び、鐘を撞く綱が揺れる六道まいりのイラスト

ひとことで言うと

六道まいりは、お盆を前に東山区の六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)に参り、迎え鐘を撞いてご先祖の霊「お精霊(しょらい)さん」を迎える京都の行事で、「精霊迎え」とも呼ばれます。寺の案内では例年8月7日〜10日の4日間で、2026年は8月7日(金)〜10日(月)の午前6時〜午後10時でした。

30秒でわかる要点

  1. 例年8月7日〜10日、東山区の六道珍皇寺で行われる

  2. 迎え鐘を撞き、高野槇と水塔婆でお精霊さんを迎える

  3. 寺の門前あたりが、この世とあの世の境「六道の辻」とされてきた

  4. 初盆の家は、必ず迎えに参る習わしがあると寺は案内している

六道まいりって何?

六道まいりは、お盆に帰ってくるご先祖の霊を迎えに、東山区の六道珍皇寺へお参りする行事です。六道珍皇寺の案内によると、京都では盂蘭盆を控えた8月7日〜10日に、精霊(御魂)を迎えるために寺へ参る風習があり、別名を「精霊迎え」といいます。

京都ではお盆に迎えるご先祖の魂を、親しみをこめて「お精霊(しょらい)さん」と呼びます。同寺の「お盆について」の案内は、仏教が伝わる前からあった祖霊を招き寄せて供養する風習が土台にあり、その行事が600年の歴史を重ねて京のお盆の大切なしきたりとして続いている、と説明しています。

日程は寺の案内で毎年示されます。2026年は8月7日(金)〜10日(月)の4日間で、時間は4日間とも午前6時〜午後10時でした。京都市観光協会の京都夜観光サイトの夏の行事一覧にも、同じ日程と時間で掲載されています。

どんな順番でお参りする?

六道珍皇寺の「六道まいりのご紹介」や代参供養の案内によると、参詣者は本堂で水塔婆(みずとうば)に戒名を書いてもらい、迎え鐘を撞いて、お精霊さんをこの世に迎えます。そのあと水塔婆を線香の煙で浄め、地蔵堂前の「賽の河原」と呼ばれる場所で、高野槇の葉で水塔婆に水を手向けます。これを水回向(みずえこう)といいます。

高野槇は例年、参道に出る花屋で買い求めます。寺の代参供養の案内では、迎え鐘の前に供えた高野槇と水塔婆にご先祖や新仏の御魂が宿るとされています。参れない人には、その高野槇をお盆の始まる8月13日までに自宅へ届けると説明しており、槇がお精霊さんを家へ迎える目印になっていることが分かります。

六道まいりの参り方の順番

左から右へ5つの段階が矢印でつながる図。1 参道で高野槇を求める、2 本堂で水塔婆に戒名を書いてもらう、3 鐘楼で迎え鐘を撞く、4 線香場で水塔婆を浄める、5 地蔵堂前の賽の河原で高野槇の葉で水回向。
高野槇を求め、水塔婆に戒名を書いてもらい、迎え鐘を撞き、線香で浄めて、賽の河原で水回向をする(六道珍皇寺「六道まいりのご紹介」「代参供養について」をもとに作成した模式図)。

六道珍皇寺の案内にある参詣の順路

順番場所・ものすること
1山門・参道参道の花屋で高野槇を求める
2本堂水塔婆に戒名(または俗名・〇〇家先祖代々之霊)を書いてもらう
3鐘楼迎え鐘を撞き、お精霊さんを迎える
4線香場線香の煙で水塔婆を浄める
5地蔵堂前(賽の河原)高野槇の葉で水塔婆に水を手向ける(水回向)
六道珍皇寺「六道まいりのご紹介」「代参供養について」(2026年10月時点)をもとに作成。

なぜここが「あの世の入口」なの?

「六道」は仏教でいう地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六つの世界のことです。六道珍皇寺の案内では、その分かれ道で、この世とあの世の境にあたる辻が、古くから同寺の境内あたりだといわれ、冥界への入口と信じられてきたとしています。門前には「六道の辻」の碑が立っています。

同寺はその理由として、平安京の東の墓所だった鳥辺野(とりべの)へ向かう道筋にあたり、この地で野辺の送りが行われたこと、そして平安初期の官僚・小野篁(おののたかむら)が本堂裏の井戸から冥府へ通ったという伝説を挙げています。「六道の辻」という呼び名は説話集『古事談』にも見え、中世から「冥土への通路」として知られていたことがうかがえると紹介されています。

小野篁は昼は朝廷に仕え、夜は閻魔庁で働いたと語られる人物です。寺の案内によると、この冥官の伝説は『江談抄』や『今昔物語集』などにも見え、室町時代にはほぼ定着しました。境内には「冥土通いの井戸」があり、近年は旧境内地から、冥土から帰るのに使ったとされる「黄泉がえりの井戸」も見つかっています。

迎え鐘の音はどこまで届く?

六道珍皇寺の「迎え鐘」の案内によると、この鐘は盂蘭盆に精霊を迎えるために撞くので「迎え鐘」と呼ばれ、その音は冥土まで届き、亡者はその響きに応じてこの世に呼び寄せられると信じられてきました。

鐘には『古事談』に載る伝説があります。開基の慶俊(きょうしゅん)僧都が唐へ渡る前に、鐘を3年間土に埋めておくよう命じたものの、寺僧が待ちきれず1年半ほどで掘り出して撞いたところ、その音が唐の僧都のもとまで届いたというものです。唐まで響く鐘なら冥土にも届くだろう、と信じられて迎え鐘になったと寺は説明しています。

初盆の家と、ほかの寺の精霊迎え

寺の案内では、京都では古くから、初盆を迎える家の新仏(にいぼとけ)は初めて生家へ帰るため、道に迷わないよう「六道の辻」にあたる同寺へ必ず迎えに参る習わしがあるとしています。一周忌や三回忌にあたる家も、特に心を用いて参る習わしだと紹介されています。

「六道まいり」と呼ばれる精霊迎えは、六道珍皇寺だけのものではありません。上京区の千本釈迦堂(大報恩寺)の年中行事の案内によると、同寺では六道信仰にもとづく六観音菩薩像がそろってまつられていることにちなみ、「六道参り精霊むかえ」として精霊迎えを8月8日〜12日、精霊送りを8月16日に営んでいます。

迎えたお精霊さんは、お盆が終わると送り出されます。京都夜観光サイトの2026年の行事一覧には、8月16日の京都五山送り火や、矢田寺の「送り鐘」も載っています。六道珍皇寺では例年、送り火の翌日の8月17日に大施餓鬼法要を営み、その後に水塔婆を焚き上げてお盆の行事を締めくくると案内しています。

歩くなら・参れないときは

六道珍皇寺の住所は京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町595です。寺によると、境内は通常時でも自由に参拝できます。六道まいりの期間は真夏の行事のため午前中に参詣者が集中しやすく、寺は昼間や日が落ちた夕方の涼しい時間帯に分散して参るよう呼びかけています。

遠方などで参れない人のために、寺は2026年も前年に続いて、オンラインと郵便による代参供養の受付と、高野槇の配送を行いました。2026年の受付は7月31日までで、寺僧が施主に代わって迎え鐘を撞き、水回向をするという内容でした。受付期間や方法は年ごとに案内されるので、寺の公式サイトで確かめるのが確実です。

この項目のミニクイズ

読んだ内容を、2問の四択で確かめてみましょう。

  1. 六道珍皇寺「六道まいりのご紹介」によると、六道まいりで「賽の河原」と呼ぶ場所で水塔婆に水を手向けるときに使うのは、何の葉?

  2. 六道珍皇寺の「迎え鐘」の案内によると、3年埋めておくよう命じられた鐘を1年半ほどで掘り出して撞いたところ、音はどこまで聞こえた?

出典・確認情報

内容確認日:2026年10月11日

更新日:2026年10月11日

  1. 六道珍皇寺「精霊迎え 六道まいり」
  2. 六道珍皇寺「迎え鐘」
  3. 六道珍皇寺「京のお盆行事と『六道まいり』」
  4. 六道珍皇寺「精霊迎え 六道まいり 代参供養」
  5. 六道珍皇寺「六道まいりのご紹介」
  6. 六道珍皇寺「六道の辻」
  7. 六道珍皇寺「六道珍皇寺略縁起」
  8. 六道珍皇寺「六道珍皇寺と小野篁の不思議な伝説」
  9. 六道珍皇寺「拝観案内」
  10. 京都市観光協会 京都夜観光 YOI-YOI「京の夏 夜の行事・イベント 2026年」
  11. 大報恩寺(千本釈迦堂)「年中行事」
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