学校・学区

京都府の公立高校の通学圏と中学校の学区 住所で決まる出願先と、令和9年度からの新しい入試

公開日:

京都府の南北に長い地図を地域ごとに色分けし、高校の校舎と制服のかばんが置かれたイラスト

「この家に住んだら、どの高校を受けられるのか」。中学生の子どもがいる家庭や、これから引っ越しを考えている家庭には気になるところです。京都府の公立高校には「通学圏」があり、とくに普通科は住所によって出願できる学校が決まります。京都府教育委員会と京都市教育委員会の選抜要項・規則をもとに、通学圏のしくみと、令和9年度から変わった入試の流れをまとめました。

この記事のポイント

  • 京都府の公立高校の普通科は、保護者の住所(生活の本拠)がある通学圏の学校に出願するのが原則です。通学圏は「京都市・乙訓」「山城」「口丹」「中丹」「丹後」の5つです。
  • 専門学科(農業・工業・商業など)、総合学科、定時制、通信制は、府内全域から出願できます。ただし紫野高校アカデミア科は出願できる地域が限られ、嵯峨野高校・堀川高校の一部の学科には、京都市・乙訓の外から入れる人数に上限があります。
  • 令和9年度入試からは、選抜が「前期選抜」(独自枠・共通枠)と、欠員がある場合の「後期選抜」になりました。独自枠と共通枠を合わせて最大4校4学科等に志願できます。
  • 高校の通学圏は、通っている中学校ではなく保護者の住所で決まります。入学日までに府外から、または府内で通学区域を越えて引っ越す場合は、「特別事情具申」の手続きが必要です(令和9年1月5日〜8日。郵送できる場合は令和8年12月14日〜17日の消印有効)。

5つの通学圏と、含まれる市町村

京都府の公立高校の通学圏(普通科)

通学圏含まれる市町村普通科で出願できる学校
京都市・乙訓京都市(京北を除く)、向日市、長岡京市、大山崎町、八幡市の一部(八幡長町・八幡樋ノ口・川口高原)、久御山町の一部(大橋辺)18校
山城宇治市、城陽市、八幡市(八幡長町・八幡樋ノ口・川口高原を除く)、京田辺市、木津川市、久御山町(大橋辺を除く)、井手町、宇治田原町、笠置町、和束町、精華町、南山城村10校
口丹京都市の京北(京都京北小中学校の通学区域)、亀岡市、南丹市、京丹波町4校
中丹綾部市、福知山市、舞鶴市4校
丹後宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町3校
京都府「京都府立の中学校及び高等学校の通学区域に関する規則」と令和9年度入学者選抜要項(令和8年9月1日縦覧)から。学校数は令和9年度に普通科を募集する学校(府立・京都市立)を数えたもの。

通学圏は市町村ごとに決まっていますが、境目が市町村の中にある地域が3つあります。京都市のうち京北(京都京北小中学校の通学区域)は口丹通学圏、八幡市の八幡長町・八幡樋ノ口・川口高原と久御山町の大橋辺は京都市・乙訓通学圏です。

学科によって、出願できる範囲が違う

学科ごとの出願できる範囲(令和9年度)

学科出願できる範囲
普通科保護者の住所がある通学圏の学校。一部の学校は、通学圏の外からも人数の上限つきで出願できる(下の「通学圏を越えて出願できる枠」)
普通科のスポーツ総合専攻・美術・工芸専攻府内全域。通学区域の外から入れるのは各校20人以内(亀岡高校の美術・工芸専攻は15人以内)
専門学科(農業・工業・商業・水産・情報・福祉・体育・音楽・美術など)府内全域。嵯峨野高校京都こすもす科(文理科学系統)と堀川高校探究学科群は、京都市・乙訓以外から入れる人数に上限がある。紫野高校アカデミア科は京都市・乙訓通学圏と一部の地域だけ
総合学科・地域創生科府内全域
定時制・通信制府内全域
開建高校ルミノベーション科(普通教育を主とする学科)京都市・乙訓通学圏だけ
京都府・京都市の通学区域の規則と、令和9年度の募集定員(通学区域の調整)、選抜要項の「通学圏別に志願できる学科」の表から整理。

通学圏の制限がかかるのは、主に普通科です。専門学科や総合学科はほとんどが府内のどこからでも出願できるため、住所で選べる学校の数は、普通科を考えるかどうかで大きく変わります。

通学圏ごとの普通科の学校数と募集定員

普通科の募集定員(通学圏別、令和9年度)

  • 京都市・乙訓4,000人
  • 山城1,960人
  • 口丹440人
  • 中丹620人
  • 丹後426人
令和9年度募集定員の表から、通常の通学区域で出願できる普通科(単位制・普通科総合選択制を含み、スポーツ総合専攻・美術・工芸専攻を除く)を足し上げた値。合計7,446人。洛北・城南菱創の80人以内など、通学圏の外から入れる枠も含んだ定員で、その通学圏に住む人だけの定員ではない。

通学圏ごとの、普通科で出願できる学校(令和9年度)

通学圏学校
京都市・乙訓府立:山城、鴨沂、洛北、北稜、朱雀、洛東、鳥羽、北嵯峨、桂、洛西、桃山、東稜、洛水、向陽、乙訓、西乙訓/市立:紫野、日吉ケ丘
山城東宇治、莵道、城南菱創、城陽、西城陽、京都八幡、久御山、田辺、木津、南陽
口丹北桑田、亀岡、園部、須知
中丹綾部、福知山、東舞鶴、西舞鶴
丹後宮津天橋(宮津学舎・加悦谷学舎)、峰山、丹後緑風(網野学舎)
合計39校。令和9年度は、嵯峨野高校と堀川高校の普通科の募集はありません(それぞれ京都こすもす科・探究学科群の定員が増えています)。

京都市・乙訓通学圏は普通科の学校が18校と多い一方、口丹・中丹・丹後通学圏は3〜4校です。通学圏によって、普通科の中で選べる学校の数が大きく違います。

通学圏を越えて出願できる枠

普通科でも、学校によっては通学圏の外から出願できる枠があります(令和9年度の通学区域の調整)。

  • 洛北高校・城南菱創高校の普通科(単位制)は府内全域から出願でき、それぞれの通学区域の外から入れるのは80人以内です。
  • 東宇治高校の普通科は京都市・乙訓通学圏から24人以内、北桑田高校の普通科も京都市・乙訓通学圏から12人以内で、いずれも前期選抜の独自枠に志願する場合に限ります。
  • 口丹・中丹・丹後の3つの通学圏の間では、ほかの通学圏の普通科にも定員の30%以内で入学できます。前期選抜の独自枠に志願する場合に限ります。
  • 京都市立日吉ケ丘高校の普通科は、京北・山城通学圏・亀岡市・南丹市・京丹波町からも出願でき、京都市・乙訓以外から入れるのは20人以内です。紫野高校のアカデミア科も同じ地域から出願でき、20人以内です。

これらの枠は、京都府教育委員会が年度ごとに告示で決めています(上は令和9年度入学者の分)。翌年度以降は変わることがあるため、受験する年度の募集定員の資料で確かめてください。

京都市立高校の出願できる範囲

  • 紫野高校(普通科・アカデミア科)、日吉ケ丘高校(普通科)、開建高校(ルミノベーション科)の通学区域は、京都市(京北を除く)、向日市、長岡京市、大山崎町と、八幡市・久御山町の一部です。日吉ケ丘の普通科と紫野のアカデミア科は、上の枠でほかの地域からも出願できます。
  • 堀川高校・西京高校・京都工学院高校・美術工芸高校・京都堀川音楽高校は、府内全域から出願できます。堀川高校の探究学科群は、京都市・乙訓以外から入れるのは原則164人以内です。

令和9年度からの新しい入試の流れ

令和8年度入試までは、前期選抜・中期選抜・後期選抜の3回でした。令和9年度入試からは前期と中期が一本化され、「前期選抜」の中に「独自枠」と「共通枠」が設けられました。後期選抜は、前期選抜の後に相当の欠員がある場合に行われることがあります。

前期選抜の独自枠と共通枠(令和9年度)

項目独自枠共通枠
評価のしかた学校ごとの特色に応じた検査項目・配点報告書と統一学力検査(国語・数学・英語・理科・社会、各40点)
志願できる数1校の1学科・系統等だけ第1志望(順位を付けて2つまで)と第2志望
合否の決め方学校ごとの方法まず第1志望の第1順位の人から募集人員の90%以内を決め、残りを第1・第2順位で決める。第2志望は、その後も欠員がある学科で選ぶ
普通科の募集人数各校とも定員の50%定員から、独自枠と特別入学者選抜の合格者を除いた人数
独自枠と共通枠の両方に志願すると、最大4校4学科等に志願できる。京都府「令和9年度京都府公立高等学校入学者選抜要項」「新しい入学者選抜制度に係る基本方針」、広報資料(令和8年8月28日)の別紙から。

令和9年度入学者選抜の主な日程(全日制)

手続き日程
志願者情報の入力(WEB出願システム)令和8年12月8日(火)〜12月14日(月)
特別事情具申(転居予定など)令和9年1月5日(火)〜1月8日(金)
前期選抜の出願情報の入力令和9年1月12日(火)〜1月18日(月)
検査手数料の納入(全日制2,200円)令和9年1月26日(火)〜2月1日(月)17時
前期選抜の出願令和9年2月3日(水)〜2月5日(金)
統一学力検査令和9年2月18日(木)
学校個別検査原則 令和9年2月19日(金)
前期選抜の合格発表令和9年3月5日(金)午後2時、WEB出願システムで
後期選抜の出願情報の入力・手数料の納入(行う場合)令和9年3月8日(月)〜3月9日(火)17時
後期選抜の出願(行う場合)令和9年3月10日(水)〜3月11日(木)正午
後期選抜の検査・合格発表令和9年3月16日(火)・3月18日(木)
京都府「令和9年度京都府公立高等学校入学者選抜要項」と広報資料(令和8年8月28日)から。出願は中学校長の承認を受けてから行う。私立高校を専願(推薦を含む)で受ける人は、2月3日〜5日は仮登録で、手数料の納入と出願は2月12日〜16日。京都堀川音楽高校など一部の学校は日程が異なる。後期選抜を行う学校は3月5日に発表される。

中学校の学区との関係と、引っ越しの手続き

京都市立の小・中学校は、住所地(町と地番)による通学区域(学区)で通う学校が指定され、学校選択制はありません。一方、高校の通学圏は、通っている中学校ではなく、保護者の住所(生活の本拠)がある通学圏で決まります。区域外就学や私立中学校で住所と別の地域の学校に通っていても、普通科の出願先は保護者がどこに住んでいるかで決まります。

  • 入学日までに府外から引っ越す人や、府内で志願する学科の通学区域を越えて引っ越す人は、「特別事情具申」として「高等学校入学志願者の住所に関する届」と、転居先が確認できる資料(賃貸契約書の写しなど)を出します。期間は令和9年1月5日〜8日で、原則として持参です(府外からの転居予定など、郵送できる場合は令和8年12月14日〜17日の消印有効)。
  • すでに引っ越していて、許可を受けて前の中学校に通い続けている場合は、特別事情具申は不要です。
  • 令和9年度の特別事情具申の案内資料は、確認した時点では準備中でした。引っ越しの予定がある場合は、早めに中学校や京都府教育委員会に相談してください。
京都市の学区(通学区域)の調べ方京都市の小・中学校の学区を、町名一覧で調べるときの注意点をまとめた記事です。

家族で確かめたいこと

  1. 住所の通学圏を確かめる今の住所、または引っ越し先がどの通学圏かを確かめます。八幡市・久御山町・京都市の京北は、市町村の中で通学圏が分かれます。
  2. 普通科と専門学科の両方を見る普通科は通学圏の学校、専門学科・総合学科は府内全域が候補です。通学圏を越えて出願できる枠も確認します。
  3. 独自枠と共通枠の組み合わせを考える独自枠は1校1学科だけ、共通枠は第1志望(2つまで)と第2志望です。志望校の独自枠の検査方法も、各校の募集要項で確かめます。
  4. 日程を家族のカレンダーに入れる12月の志願者情報の入力から、2月の出願・検査、3月の発表まで、手続きの日程を早めに共有しておきます。

注意点

  • この記事は2026年10月15日に確認した、京都府教育委員会・京都市教育委員会の令和9年度入学者選抜の資料と通学区域の規則をもとにしています。
  • 通学圏について、京都府教育委員会は今回の入試制度の見直しでの変更は想定していないとしていますが、令和10年度以降の選抜の詳細は今後の発表を確認してください。
  • 出願や手続きの判断は、必ず最新の選抜要項と、中学校・教育委員会の案内で確認してください。

出典

各資料の内容と原文は、2026年10月15日にFAMISMAが確認しました。普通科の学校数と募集定員は、令和9年度の募集定員の表からFAMISMAが数えた値です。

記事の数字は、自治体の公表資料をもとにFAMISMAが集計した参考値です。制度や受付の内容は変わることがあるため、手続きの際は必ず自治体の公式情報をご確認ください。

読みもの一覧へ